天理時報2023年6月21日号8面
【ウクライナダム決壊の波紋 – 手嶋龍一のグローバルアイ25】戦争はいくつもの顔を持ち、深い霧に覆われている――幾多の戦火を経験してきた欧州の地に伝わる言葉だ。激しい戦いが続くさなかは、どちらの陣営が最初に引き鉄を引いたのか。その真相は容易に明らかにならない。激戦が続くウクライナ南部の前線では、国土を南北に貫くドニプロ川の巨大なカホフカ・ダムが決壊し、両岸が洪水に見舞われた。世界の5大穀倉地帯の一つ、広大な小麦畑が甚大な被害を受け、ザポリージャ原発では核燃料棒を冷却する水が不足すると心配されている。西岸のウクライナ側の住宅は水没し、東岸のロシア軍占領地にも氾濫は及んでいる。このダムを破壊したのは、いったい誰なのか。現時点では真相は謎に包まれたままだ。米国の偵察衛星が、ダム決壊の直前に爆発の赤外線を感知しており、カホフカ・ダムは老朽化のため決壊したのではない。爆弾が仕掛けられ、ダムが破壊された疑いが濃くなっている。ウクライナとロシアは、相手側の仕業だと非難の応酬を繰り返しているが、米国の情報当局は、驚くほど慎重な対応に終始している。このダムの決壊をきっかけに、戦闘がウクライナの戦域を超えてロシア領に拡がることを懸念しているからだろう。さらに、ロシアが占領しているクリミア半島の要衝、セバストポリ軍港が今後も無人機など攻撃される事態となれば、プーチン大統領は、ロシアの“核心的な利益”が侵されたとみなして、核兵器を使うことを躊躇わないと公言している。ロシアに奪われた全領土を奪還するまで戦い抜くーーゼレンスキー大統領が掲げる戦争目的を西側諸国が支持するだけでは、核戦争の危険は日毎に高まってしまう。プーチン政権は隣国ベラルーシに核弾頭を装備できる短距離ミサイルを配備すべく着々と準備を進めている。核兵器は実戦で使ってみせると強気の姿勢を貫かなければ威嚇の効果はない。だが、それが単なる脅しに終わる保証はどこにもない。いまこそ国際社会は核戦争の芽を摘むべく行動すべき時なのである。, 【重い障害のある子供がおぢばへ – 甲京分教会】“夫婦参加型”の交流イベント京都市の甲京分教会は5月20、21の両日、「天理キャンプ」と銘打ち、重度の障害のある子供とその家族、計28人と共におぢば帰りをした。この団参は、肢体不自由児と当事者家族の“夫婦参加型”の交流イベントとして、辻真一会長(56歳)と治美夫人(53歳)が企画したもの。辻会長は10年前、三男・道都君(12歳)が肢体不自由児の保育施設へ通っていたころ、障害のある子供を抱える家族との出会いから、自宅で介護に徹して外出することもままならない当事者家族の現状を知った。その後、8年前に同施設へ通う子供たちの父親から成る「おやじの会」を設立。教会での会食などで交流を深めるうちに、保護者から「天理へ行ってみたい」という声が上がり、6年前に団参を実施。コロナ下では中止を余儀なくされたものの、2022年、団参を再開し、今回で6回目となった。おさづけの取り次ぎも当日、本部神殿に到着した一行はスロープ昇降口から西礼拝場へ移動。辻会長がおぢばとかんろだいの理について説明した後、参拝した。その後、教祖殿へ移動して、辻会長夫妻と教友が子供たちにおさづけを取り次いだ。参拝後、一行は甲賀詰所へ移動し、お楽しみ行事として缶バッジ作りを体験し、楽しいひと時を過ごした。辻会長は「団参の回数を重ねるにつれ、参加してくださる方々が、だんだんおぢばに親しみを覚えてくれているのがうれしい。これからも少しでも多くの人を、おぢばにお連れできるよう頑張っていきたい」と語った。重い障害のある子供とその家族がおぢばに帰った(5月20日), 【道友社の本 – 時の中の自分・続 おやさまの灯り】