天理時報2023年6月7日号3面
【受験の失敗から立ち直れない息子 – 人生相談】Q. 息子が大学受験の第1志望に合格できず、今春から第2志望の大学へ通うことになりました。ところが、受験失敗のショックで人生を悲観するようになり、不登校に。親として息子の立ち直りを手助けしたいのですが。(50代女性)A. 息子さんのショックは相当なもので、まだ気持ちの整理がついていないようですね。その心の痛みを理解せずに、いろいろとアドバイスしても心には届かないでしょう。とはいえ、親も共に悲観していては、彼は自分のせいで家族に迷惑をかけていると罪悪感を抱きかねません。共感は大事ですが、同情して共に倒れてしまってはいけません。親にできることは、「人生には思い通りにならないことはいくらでもある」と捉え、どっしり構えて普段の生活を送ることです。それは、受験の失敗を軽視することでも、「仕方がない」と割りきって我慢することでもありません。この道では、「自分の思い通りにならない出来事には、何か神様の思惑があるのではないか」「これは“節から芽が出る”のお言葉を実感できる人生のターニングポイントになるかもしれない」などと、前向きに受け取ることができます。いまの息子さんには難しい受け取り方でも、人生経験の多い親にはそうした経験があるはずです。思い通りにならないことを前向きに受け取り、明るく生活していると、息子さんも次第に安定してくるでしょう。そうして親子の会話が増えてきたとき、あなたの実体験を交えた言葉が息子さんの心に届き、変化もまた表れてきます。回答者:古市俊郎(福之泉分教会長・公認心理師), 【立教186年5月月次祭 – 新緑わたる風のなか】教会本部の5月月次祭は26日、中山大亮様祭主のもと、本部神殿で執り行われた。大亮様は祭文の中で、旬刻限の到来とともに、教祖をやしろとして、この世の表にお現れになり、世界一れつをたすけるために、つとめを教え、さづけを渡し、元の理を明かして、陽気づくめの世界へとお導きくださる親神様のご慈愛に御礼申し上げられた。さらに、5月から立教188年8月まで全教会長が順次本部月次祭に参列し、年祭活動に取り組む信念をしっかり固めさせていただくと述べたうえで、「私どもをはじめ教会長、ようぼく一同は、ぢばに真実の心をつなぎ、その出張り場所である教会が、たすけ一条の道場にふさわしく活動し、陽気ぐらしの姿を土地所に映しだすことができるよう、日々懸命に努力を重ね、末代かけて名称の理をお許しくだされた親神様の思召にお応えさせていただく決心でございます」と奏上された。この後、かぐら・てをどりが陽気に勤められた。朝から曇り空となったこの日の親里。時折、新緑をわたる風が神苑一帯に吹くなか、参拝者は一心に「みかぐらうた」を唱和した。おつとめの後、松田理治本部員が神殿講話に立った。松田本部員は、「おふでさき」などを引いたうえで、「諭達第四号」で述べられる「世界たすけ」に言及。身近な人のたすかりを願うことも、海外へにをいがけに行くことも、すべて世界たすけであるとして、三年千日の旬に「自分たちの持ち場・立場のつとめに勇んで、普段よりも力を込めて励みたい」と述べた。右回り込み、新緑をわたる風が神苑一帯に吹くなか、参拝者たちは一心に「みかぐらうた」を唱和した(5月26日), 【生成AIをめぐる一思案 – 視点】「ChatGPT」と呼ばれる対話型AI(人工知能)が世界で注目を集めている。文章で問いかけると、ネット上の膨大なデータを駆使し、瞬時に自然な文章で回答する「生成AI」の一つである。多方面での活用に期待が高まる一方で、その情報の正確さはもとより、データの集中や監視、教育や雇用に与える“負の影響”などを憂慮する声も高まっている。4月に行われたG7デジタル・技術相会合、また先月、広島で行われたG7サミット(首脳会議)では、国際的なルールづくりに向け、「信頼できるAI」「責任あるAI」などをスローガンに、各国が連携することが確認された。要するに根本的な課題は、人間がAIをいかに効果的に運用し、かつ制御できるかという「ガバナンス」(統制)の仕方にある。だが、昨今の生成AIの進歩はあまりに速く、実効性のあるルールづくりが果たしてどこまで可能なのか、実のところ誰にも分からない。「信頼できるAI」や「責任あるAI」といった極めて漠たる、そして“あまりに人間的”な表現が用いられていることは、皮肉にも、AIに対する私たち人間の、現時点での立ち位置を浮かび上がらせる。つまり人間は、一方ではAIによって制御されることを警戒しつつも、他方では、あくまでもそれを主体的かつ“人間的”に制御することを望んでいるのだ。視点を変えれば、いま私たちは、AIによって「人間とは何か」、さらには「何であり得るのか」という問いを突きつけられている、とも言えるのではないか。本教では、「六千年は智慧の仕込み」(『天理教教典』第三章「元の理」)と教えられるように、知恵とは、親神の守護によって人間に与えられたものとされる。そして、知恵の本来の目的は、よろづいさいの真実、すなわち「元の理」を知り、陽気ぐらしをすることにある、と教えられる。「人間」の境界をも溶解させかねない“あまりに人間的”な生成AIが席巻するこの時代に、「人間とは何か」、また「何であり得るのか」という問いを、新たな眼差しで「元の理」に訊ねてみたい。(島田), 【『 すきっと』定価の改定について】昨今のエネルギー問題による書籍用紙等の価格高騰に伴い、このたび『すきっと』の定価を改定することとなりました。次号の第40号(2023年9月1日発行予定)から、従来の定価660円(本体600円+税)を改め、定価880円(本体800円+税)とさせていただきます。なお、第39号以前の既刊につきましては引き続き、従来通りの価格で販売いたします。ご理解のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。道友社業務課TEL:0743‐63‐3726FAX:0743‐63‐5513