天理時報2023年5月31日号6面
【いま・ここにある味わい – 成人へのビジョン14】十二下りを通して勤めると「心」(こゝろ)が繰り返し出てくることに気づきます。信仰は心が大切、そう感じます。ですが、心がすべてかというと、果たしてそうでしょうか。お言葉に「身の内離れて神はなし」とある通り、身体性を排して「心がすべて」はいかにも乱暴な話です。では、人間の存在を心と体の二つに峻別する、いわゆる心身二元論かというと、それも違うようです。「心通り皆身に映してある」(おさしづ明治21年2月15日)のお言葉が示す通り、心身は互いに通じ合う、密接不離な関係にあるのです。かしもの・かりものの理を思えば思うほど、心身の結びつきに眼が開かれていきます。ところが、人は往々にして心と体を分けて考えがちです。食事中でも頭の中はほかのことでいっぱい、そんな経験は誰しもあります。そうした「心身の結びつきの喪失」が極端になると、人は「生きている感じがしない」と感じるのではないでしょうか。教祖は「水を飲めば水の味がする。親神様が結構にお与え下されてある」とおっしゃいました。ここでは、水(与え)、体(身の内のご守護)、心(私)の三者が渾然一体となって一つの生を形成しています。水の性質も、舌の味覚も、心という主体も、どれも単体では、このお言葉の意味を十全に捉えきれません。私は端的に「味がする」に、その十全性を見ます。「味わう」は、与え、身の内のご守護、私たちの心、そのどれ一つ欠けても成立しません。それらが呼応し一体となって初めて立ち現れる世界です。私はここに「生きる」の本質を思います。また「味わう」は他の動詞と比べ、遙かに心を要します。水という無色透明・無味無臭なものであれば、なおさらでしょう。こうした行為による「栄養補給」は、生命維持のための手段ですが、「味わう」には、食事それ自体を楽しむという充足感があります。それは与えやご守護を能動的に享受し、堪能する姿です。――私は水を味わっているだろうか。水に限らない。空気は、景色は、音は、香りは、人とのふれ合いは。私はそれらを味わって生きてきただろうか。いま、味わっているだろうか。自由の世界は、きっと眼前に広がっているのです。可児義孝イラスト・かにたづこ, 【“二人の母”に親孝行 – 読者のひろば】佐藤彩花(25歳・東京都練馬区)先ごろ「母の日」に、母と“第二の母”として慕う所属教会の奥さまへプレゼントを贈りました。20年ほど前、母がお道の信仰に入ったことをきっかけに、私も母と一緒に教会へ通うようになり、奥さまとの交流が始まりました。当時、母は看護師として働いていたので、一緒に居られる時間は長くありませんでした。奥さまはそんな私を心配して、私が身上のときは完治するまで毎日おさづけを取り次ぐなど、実の娘のように、いつも気にかけてくださいました。いつしか私も、奥さまを“第二の母”として慕わしく思うようになったのです。ところが、就職を機に地元を離れてからは、母や奥さまと顔を合わせる機会が減り、寂しく感じていました。そんなある日、上司に「親孝行しなきゃいけないよ」と言葉をかけられ、「母の日に合わせて帰省し、母と奥さまに、カーネーションと日ごろの感謝を綴った手紙を贈ろう」と思い立ったのです。当日、カーネーションと手紙を手にした奥さまは「こんな“娘”を持って幸せ」と、涙を流して喜んでくれました。奥さまの喜ぶ顔が見られて、私も思わず目頭が熱くなりました。これからも二人の母に喜んでもらえるよう、親孝行を続けていきます。, 【親子連れで楽しく学ぶ防災 – 高知教区】高知教区(畠山美孝教区長)は5月4日、教区各会合同防災訓練「遊防祭(あそぼうさい)」を香美市の甫喜ヶ峰森林公園で実施した。このイベントは、地震をはじめとするさまざまな災害に備え、教区管内における防災意識の向上を目的としたもの。同教区では、これまで親子連れで楽しめる防災訓練ができないかと模索。このイベントの開催に向け、災害救援ひのきしん隊高知教区隊(野田慶行隊長)が中心となって、今年2月から検討を重ねてきた。また、”有事”の際に地方自治体と連携強化を図るうえから、県危機管理部南海トラフ地震対策課と折衝。同課の全面的協力のもと準備を進めてきた。当日は、管内の家族連れなど195人が参集した。会場には、行政と香美市消防本部の協力・機材提供による、災害に遭った状況を疑似体験できる各種ブースを設置。「起震車体験」や「煙体験ハウス」、消防隊による「救命救急講習」や「消火器体験」のほか、教区管内の各会による「手作り防災グッズ」「防災クイズ」「アルファ米体験」のブースも設けられた。参加者たちは、家族単位で会場内のブースを巡り、楽しみながら防災意識を高めた。この後、「災救隊テント設営およびチェーンソー訓練」と野外キャンプが実施された。畠山教区長(61歳・越知大教会長)は「管内の教友の防災意識を高めながら、日常のご守護に感謝して通ることを学ぶ良い機会になったと思う。これからも管内の各会が一丸となって、教祖140年祭に向けて実動を継続していきたい」と語った。当日は家族連れなど195人が「遊防祭」に参加し、楽しみながら防災について学んだ(4日、香美市の甫喜ヶ峰森林公園で)(高知・橋田代表社友情報提供)