天理時報2023年4月12日号2面
【企画特集 お道のラジオ放送1世紀の歴史に幕】4月 ネットのポッドキャストとホームページからの聴取へ完全移行既報の通り、ラジオ「天理教の時間」の放送は3月26日をもって終了した。昭和5年、中山正善・二代真柱様が、ラジオ放送で教えの理を公共の電波へ流されたのが嚆矢となり、以来93年にわたって続いてきた本教のラジオ放送は、この4月から、インターネットを通じて音声コンテンツを無料で配信する「ポッドキャスト」、および天理教ホームページからの聴取へと完全移行する。この企画特集では、本教のメディア布教の一翼を担ってきたラジオ「天理教の時間」の1世紀の歩みを振り返る。本教の電波布教は、昭和5年1月19日、JOBK(現在のNHK大阪放送局)上本町演奏所から、当時25歳の中山正善・二代真柱様のお声が放送されたのが始まり。二代真柱様は「大風に灰をまく」、すなわち「いずれ誰かの目あるいは耳に入る」、また「一石の波紋が全国各地へ直ちに広がる」ことを意図し、ラジオ局の開局直後から、いち早く電波布教に着手された。その後、朝日放送の「宗教の時間」で定期放送され、昭和31年、日曜早朝のラジオ番組として「天理教の時間」がスタート。本教信者はもとより、一般の聴取者にも広く親しまれてきた。平成11年からは「家族円満」シリーズがスタート。これは夫婦、親子のありようなどをテーマに、教会長や布教師らが自身の体験を交えて、お道の教えに基づく“家族円満”のヒントを提供しようというもの。教会長、教会長夫人、教内有識者による書き下ろしエッセーや、布教部講演講師の講話などを取り上げてきた。シリーズスタートから24年が経ち、ラジオでは、これまで1,223回放送した。約100万人に親しまれラジオ「天理教の時間」の全国の推定リスナー数は100万人を超える。その多くを未信仰の人が占め、家事や運転中など、さまざまな場面で親しまれてきた。リスナーの中には、同番組をきっかけに、お道の教えを求めるようになった人や、番組内容を実生活に生かしているという人も少なくない。これまで同番組には、天理教の信者と知り合ったことをきっかけにラジオを聴き始め、お道の信仰に興味を持ったという女性の声や、教育現場で番組内容を生徒たちに語り聞かせ、「もっと話を聞かせてほしい」と言われることもあったという男性の声など、多くの便りが寄せられてきた。さらに、朝づとめ後に同番組を聴取し、ねりあいなどに活用してきたという教会の例もある。にをいがけに活用を道友社は4月から、インターネットの利便性を生かし、ネットで聴く“お道のいい話”の活用を積極的に推進するうえから、ラジオ「天理教の時間」をポッドキャストと天理教ホームページからの聴取へと完全移行した。今後も人気シリーズ「家族円満」を継続。週に1回、毎週金曜日に配信する予定だ。さらに、教祖140年祭へ向かう三年千日活動がスタートしたことを受け、あらためて教祖のひながたの道を学ぶ一助として役立ててもらおうと、今年1月に新番組「おやさまの情景」をスタート。同名タイトルの書籍の朗読を通じて、教祖の親心が身近に感じられる番組となっている。現在、月1回のペースで配信している。また、4月21日からは「家族円満」の新コーナー「胸の奥にこの花あるかぎり」が配信される。これは、『すきっと』で連載された同名エッセーをまとめた『胸の奥にこの花あるかぎり』(平葉子著、道友社刊)を題材にしたもの。今後、月1回の配信を予定している。◇手持ちのスマートフォンで、いつでも、どこでも利用できる道友社配信の音声コンテンツは、SNSを通じて共有することが可能。教友同士はもとより、教外の知人や友人へのにをいがけにも活用できる。「天理教の時間」のホームページおよび、ポッドキャストの登録は下記URLから。https://www.tenrikyo.or.jp/yoboku/radio/, 【世界たすけの実現に向けて – おやのことば・おやのこころ】このさきハせかへぢううハどこまでもよふきづくめにみなしてかゝる「おふでさき」十号1033月中旬、あるプロジェクトの視察で三十数年ぶりにエジプト・カイロを訪れる機会に恵まれました。世界たすけの実現に向けて、未来のアラブ・イスラーム圏布教に備えるべく“アラビスト”を育成する――との壮大な計画が始動したのは教祖90年祭直後のこと。をやの大きな思いを胸に、その2期生としてエジプトへ派遣され、3年間の留学生活を送りました。アジアとも欧米とも異なる“超”異文化に身を置きながらの留学生活は、驚きと我慢の連続でした。しかし、いつしか住めば都となり、その魅力に引き込まれたことに唖然としたものです。三十数年ぶりに訪れたカイロは、大きく様変わりしていました。新興都市があちらこちらに建設され、高速道路や地下鉄、ショッピングモールが造られる一方で、埃っぽい街並み、今にも崩れそうな日干しレンガ造りの民家、ルールを無視した“我先運転”と酷すぎる交通渋滞などは昔と変わりません。その現実を目の当たりにして、なぜか懐かしがっている自分に気づきました。再びエジプトを訪れることはないだろうと思い込んでいたこの三十数年間。その矢先に突如巡ってきた今回の再訪。古くからエジプトに伝わる「ナイルの水を飲んだ者は再びナイルに戻る」との諺の意味を、あらためて噛みしめるとともに、アラブ・イスラーム圏布教への夢の続きが始まる予感を覚えずにはいられません。(足立)