天理時報2023年2月22日号5面
【時報俳壇(2月22日号)- ふじもとよしこ 選】楽しみは節に芽の出る冬木かな堺市 加藤恵秋自在鍋ゆれ天窓の雪明り岐阜県 安江智津子戦ある地球を捨てず春を待つ東京都 吉田柳哲春近し潮満ち来る能舞台大津市 平井紀夫羽子板市きりりお目見え団十郎横浜市 番家達也初凪の遠流を偲ぶ空の彩鳥取県 野間田芳恵存命の理てふ掛け軸や年新尼崎市 前田禎子比良に雪鳥動かざる点となり天理市 中山富貴今朝の春互いを杖に六十年札幌市 田森つとむ鍬の柄が手形に窪む冬の納屋天理市 北をさむ蠟梅の透けて良き縁よき兆し橋本市 北村薫憧れの卒寿媼や冬薔薇高崎市 正田久美代冬夕焼家路はすでに灯るかな江別市 杉山忠和雪降るやしなしなと来る黒き猫豊川市 菊地美智代寒き夜は夫と語らいつ鍋づくし箕面市 志賀恵美悴む手重ね合せし夫婦かな今治市 仙波絹子冬ざれをひたすら歩む親の道飯田市 本島美紀成人の旬と仕切るや福寿草宇治市 原清彦巡教は親の思いや冬温し東京都 大矢典子又とない小春授かり句の会にいなべ市 筒井みつ江一斉に翔つ水鳥や島動く千葉市 新江堯子冬耕の鍬に顎乗せ憩ふ人近江八幡市 若林白扇犬になりたや猫になりたや雪の朝埼玉県 金子ひろみ冬野菜を競い収穫孫二人観音寺市 川上隆子蝋梅の匂いし水辺日のやわら豊岡市 谷口質子大寒に咲く花愛し我が庭に北九州市 石井喜代美悴めど理を振る手ふりよろづよの津山市 工藤圭志選者詠海光のまばゆき斜面水仙郷【評】加藤さん冬木も季が来れば節から新芽が出て緑の葉を繁らせます。その楽しみを、お道でも「節から芽が出る」と教えていただいているのです。安江さん屋根裏からの自在鍋が揺れるのを見て視線を上げると、天窓の積雪明りが印象的だった雪国独特の雰囲気です。吉田さん人と人との戦、人とウイルスとの戦が続く地球にも、刻一刻と自然界の春の訪れが聞こえている今日このごろなのです。次回は、4月末までの到着分から選句。投稿は春の季語(2、3、4月)を用いた俳句3句まで。お名前(ふりがな)、電話番号、住所を付記のうえ、下記までお送りください。〒632‐8686 天理郵便局私書箱30号「時報俳壇」係Eメール[email protected]