天理時報2023年2月22日号6面
【みちのとも 立教186年3月号】, 【一筋の道をどこに – 成人へのビジョン11】「コロナが治まったら」。そんなあいさつを何度交わしたことでしょう。この数年間、親しい友人との再会も、学校行事も、おぢば帰りの予定も、あれもこれも、中止や延期の憂き目に遭いました。長引くのはつらいことです。終わりや出口が見えれば、人はどんなに頑張れるでしょう。先日、私の住む街が大雪に見舞われました。北国の宿命とはいえ、除雪の苦労には並々ならぬものがあります。大教会で青年づとめをしていたころ、毎日降り積もる雪を恨めしく思ったものです。雪はいずれやむ、春になるまでの辛抱。でも、刻一刻と高さを増していく雪面を前に、そんな悠長なことは言えません。大教会の敷地は広く、おのずとできる範囲は限られます。肝心なのは「どこから取り掛かるか」です。イラスト・かにたづこ「最初に門から神殿玄関まで」と指示された通り、除雪して道をつけます。その後、教職舎の玄関前を、さらに時間があれば範囲を広げていきます。最初に門から神殿玄関まで──降り積もる雪は、本当に大事なのはどこか、必要な道は何かを教えてくれたようです。コロナは、そんな雪のシーズンよりもずっと長引いています。これはつらいことです。でも、その「長引く」中にも神意があるのかもしれません。雪が降り続くことによって初めて、大切な一筋の道が見えてくる。──信仰における「一筋の道」をどこに求めるか。長引くことで、私たちの本質を探究する姿勢、すなわち求道心を引き出してくださったように思うのです。とはいえ、最初の一筋だけでは大勢の人々が往来できないのも事実です。ゆとりがなく窮屈でしょう。状況が許すなら、広々と道をつけたいものです。時々は、シャベルを放り出して、雪合戦を楽しむのもいいかもしれません。一筋の道をつけるから自由に遊べるのです。はや/\とをもてでよふとをもへともみちがのふてハでるにでられん(おふでさき二号13)神様が望まれる道とはなんでしょう。それはきっと外形を意味しません。「かみのみちは、こゝろのみちといふ」(『正文遺韻抄』)。内なる針路をどう取るか。いずれ訪れる雪解けを前に、深く思案したいものです。可児義孝, 【ようぼく子弟のプロボクサー アジア太平洋王者から世界へ】タイトル戦で奮闘する村地選手(写真右、2022年10月30日、ふじさんめっせ)ようぼく夫妻の子弟、プロボクサーの村地翼選手(26歳・静岡県富士市「駿河男児」所属)は、2022年10月に行われたWBOアジアパシフィック・スーパーフライ級王座決定戦に勝利。翌月、チャンピオンベルトを携え、静岡県庁を表敬訪問。15年半ぶりとなる県内からの王者誕生に、川勝平太知事は「静岡の誇り」と称えた。郷里にある兵庫県内のジムで中学からボクシングを始め、強豪・東洋大学で力をつけた。2018年のプロデビュー戦を1回KO勝ち。以来、着実に戦績を重ね、翌19年、WBOの同タイトルに挑んだが敗戦。今回の再戦で王座を獲得した。試合2カ月前、新型コロナウイルスに感染。減量ピークの1週間前にも体調を崩したが、「このチャンスを逃すまい」と気持ちを切らさず節を乗り越えた。その原動力は、タイトルマッチ決定後に84歳で亡くなった祖父・國廣さんの存在。若いころボクシングに親しみ、陰ながら応援してくれた。病床の壁に貼った孫のポスターを、誇らしげにホームヘルパーに見せていたという。試合当日、祖父の遺影に必勝を誓い、決戦に臨んだ。試合序盤からジャブで主導権を握った。時折、強烈なボディーブローで相手の体力を奪い、順調にポイントを重ね、終盤も危なげなく制して、3‐0の判定で頂点に立った。プロ転向の際には、両親(隆貴さん〈57歳・梅乃分教会ようぼく〉、典子さん〈59歳・同〉)に心配をかけたと振り返る。「大好きなボクシングを続けさせてもらい、一つタイトルを取れたことで、ささやかだけれど親孝行できたかな」と。昨年11月、ベルトを持参し、家族そろって本部神殿でお礼参拝をした。そして第二幕が開く。世界への窓口を広げるため、先ごろタイトルを返上。さらなる高みを目指す。