天理時報2023年1月25日号3面
【一人で仕事をこなそうとする先輩 – 人生相談】Q. 勤務先に、一人で仕事をこなそうとする先輩がいます。手伝おうとしても拒否されるため、業務が効率よく進まず、同僚や後輩が困っています。先輩と協力して仕事に取り組むためには、どうすればいいでしょうか。 (20代女性)A. 仕事の内容にもよりますが、職場にチームワークは必要です。作業効率や生産性の向上だけでなく、円滑なコミュニケーションを図ることで職員の意欲や能力を高め、仕事のミスを減らすこともできます。ご相談は、あなたが個別に先輩に対して何かできるような問題ではなく、職場全体に関わる問題だと思います。そこで、職場の管理監督者に、告発したりチクったりするのではなく、「相談」されるのがいいでしょう。相談のポイントとしては、その先輩の仕事ぶりについて、問題があると思う事例を、日時や場所を含めて具体的に、感情を交えずに二つ三つ示すそのことで、あなたやほかの人がどのように困っているかを述べる今後どんなふうに変わると良いか、希望を具体的に伝える自分の意見が絶対に正しいとは限らないので、ほかの人の意見も聞いて、管理監督者の判断で対処してほしいとお願いすることです。その先輩は、自分のことだけ、いまだけを思って仕事している人に見えますが、もしかしたら皆の知らない理由があるのかもしれません。先輩を困った人と決めつけずに、責任ある上司に、あなたの悩みを相談するのがよいと思います。回答者:古市俊郎 (福之泉分教会長・公認心理師), 【タイパを超える濃密な価値 – 視点】平成が「コスパ」なら、令和は「タイパ」の時代、らしい。コスパは、コストパフォーマンスの略で「費用対効果」。片やタイパは、タイムパフォーマンスの略で、「かけた時間に対する満足度」をはかる若者世代の流行語だ。近代以降、費用と時間は経済効率のものさしだった。21世紀に入ると効率志向に一層拍車がかかり、ICT(情報通信技術)の飛躍的進歩に伴い、経済価値もさることながら、時間価値を重視する風潮はとみに高まっている。殊にデジタル世代を中心に、ネットの動画や音楽配信をスマホで「倍速視聴」したり、コンテンツの切り抜きやスキップをしたりするなど、日常の「すきま時間」を有効活用する人が増えた。こうした傾向はいまや世代を超え、食事や家事や学習などの時短を目指す消費行動が広がっており、「トキ消費」や「時間資本主義」なる言葉も目にする。現代人は忙しい。世界は激動し、社会は混迷の度を深めている。日々押し寄せる情報量は膨大で、しかも多様。しかし、1日24時間は変わらない。ならば、効率良く数多くのタスクをこなす工夫が必要……という理屈は分かる。ところが、いち早く手軽にという 情報のつまみ食い が、人生を豊かにするかといえば疑問が残る。より多くのものをより早く消費し、より良い選択肢を増やそうとすればするほど、どの選択肢が正しいかを吟味する時間が無くなる。結果、かえって効率の低下を招く。お道にも時間の概念がある。「三日三夜」や「三年千日」などの言葉に代表されるように、時を仕切ってご守護を祈念したり、時が区切られた旬や節を成人の契機としたりする。いわば、塊の時間に意識と行動を集中することで、数値的効率を超えた、濃密な価値を味わうということだろう。信仰人生における節目の歩みは「三年経てば、偉い事に成るのやで」(おさしづ明治22年11月7日)と励まされる。春季大祭の日、その親心に思いを致したい。(松本)