天理時報2022年5月4日号8面
【馬と触れ合い心を癒やす – 天理大馬術部】天理大馬術部では、4頭の馬を飼育。2年前からは「ホースセラピー」に取り組んでいる春たけなわの陽気に包まれた馬場に、いななきが響き渡る――。天理高校西山校舎の南側に位置する天理大学馬術部の厩舎。現在の部員は5人で、入部して初めて馬に触れた者がほとんどだ。同部OBで「全日本学生賞典障害飛越競技」3位入賞の経歴がある岡田大監督やコーチらの指導のもと、餌やりや運動、馬房の掃除などの飼育活動を続けている。同部が所有する馬匹は、芦毛の天樹(ニックネーム=なつめ)と鹿毛の天優(ピノコ)の2頭のサラブレッドと、半血種の鹿毛の牝馬の天紫(シキブ)、芦毛の天天(てん)の4頭。なかでもてんは、同部が近年スタートさせたホースセラピー用として、3年前に迎え入れた若い牝馬のポニーだ。◇同部は2年前、「部でできる社会貢献を」との思いから、JRAの元調教師で一般財団法人「ホースコミュニティ」代表理事を務める角居勝彦さん(鹿島大教会大輪布教所ようぼく)をはじめとする専任コーチを招き、動物介在療法の一つである「ホースセラピー」の取り組みを始めた。一昨年9月、天理市の不登校児に対する支援活動を行う「天理市不登校等親の会 いなほ」と連携し、小・中学生を対象に家族単位での参加を呼びかけ、第1回「ホースセラピー」を実施。以来、月2回、毎回4、5家族ほどが参加している。同セラピーでは、比較的体躯が小さく、おとなしいてんやシキブをセラピー馬として運用。角居さんらの監修のもと、参加者が部員や馬とコミュニケーションを取りながら、手入れや馬房掃除、乗馬、餌やりなどの世話をしている。木下英樹主将(4年)は「セラピーでは、子供への声のかけ方を考えるなど、教える立場としての学びもあり、貴重な体験ができている」と話す。谷口直子部長は「今後も地域連携を大事にしながら、皆さまに喜んでいただける活動を続けたい」と語った。, 【国連は殺戮を止められるか – 手嶋龍一のグローバルアイ12】「プーチンの戦争」を前に国際連合は立ちすくみ、為す術を知らないように映る。ウクライナの要衝マリウポリの製鉄所の地下壕にはいまも多くの市民が立て籠もり、子供たちや女性が砲弾の脅威にさらされている。集団虐殺を意味する「ジェノサイド」だという声があがっているが、国際の平和と安全に責任を負う国連安保理は、ロシアへの非難決議ひとつ採決できない。常任理事国のロシアが拒否権を行使して決議案をことごとく葬り去ってしまうからだ。安全保障理事会は加盟国に法的拘束力のある決定を科すことができる国連唯一の機関だ。だが常任理事国の椅子は、第二次世界大戦の五大戦勝国にして五大核保有国である米・英・仏・露・中が独占してきた。これらの一国でも拒否権を発動すれば、いかなる決議案も通らない。ウクライナ各地で起きている惨劇を目の当たりにしながら、平和の殿堂は十分な機能を果たせずにいる。こうした現状を変革しようと、国連加盟国からは、常任理事国が拒否権を簡単に行使できないよう改革を求める動きが出ている。だが、常任理事国は既得権益を手放さないだろう。国連改革は日本にとってとりわけ緊要である。経済大国ニッポンは、トップクラスの資金拠出国でありながら、いまだに常任理事国になれずにいる。戦後の日本は意図して長距離ミサイルも核弾頭も持たなかった。それだけに常任理事国の名誉ある椅子を占めて、より大きな発言力を確保することがなんとしても必要なのである。常任理事国の議席なくして巨額の財政負担なし。これこそが民主主義の原則だ。中国が武力による台湾併合に乗り出そうとした時、日本が常任理事国として拒否権を持っていれば、中国の動きをより効果的に牽制できるはずだ。そして唯一の被爆国である日本は、核を持たない国々を束ね、核を脅しに使おうとする国々に毅然として対抗していかなければならない。国連改革の道のりがいかに険しくとも、既存の常任理事国がどれほど抵抗しても、けっしてあきらめてはならない。不屈の意志で国連の常任理事国の椅子を勝ち取るべきだろう。