天理時報2021年7月18日号8面
TenriSports[天理スポーツ]新チーム始動天理大ラグビー部関東勢相手に好ゲームも関西春季リーグ優勝逃す今年1月、第57回「全国大学ラグビーフットボール選手権大会」で初優勝を飾った天理大学ラグビー部。翌2月、佐藤康キャプテン(4年)のもと、新チームが始動した。スローガンには、「満足するな」という意味を込め「ステイ・ハングリー」を掲げた。日本一に輝いた昨年のチームには、1年時から主力を張った選手が多かった。中心選手が卒業した今年のチームについて、小松節夫監督(58歳)は「例年以上にレギュラーが固定されておらず、皆にチャンスがあって競争が激しい。言い換えると、柱になる選手がまだいない」と話す。冬の体力づくりを経て迎えた、5月末の関西大学春季トーナメント2回戦。天理大は昨年のレギュラー6選手が、けがで欠場するなか、近畿大学を相手に27-22で辛くも勝利した。その後、6月に長野県飯田市で行われた招待試合では、1月の大学選手権準決勝で相まみえた明治大学と対戦。新チーム初となる関東勢〟との試合は、天理大が先制トライを挙げ、序盤を有利に進めたが、前半36分に逆転を許す。後半、天理大が反撃して同点に追いついたものの、試合終了間際にトライを奪われ、21-26で惜しくも敗れた。さらに、翌週には筑波大学との定期戦に臨んだ。天理大が後半に3連続トライを挙げるなど、35-20で勝利した。この間、関西大学春季トーナメントを順当に勝ち上がった天理大は4日、決勝で同志社大学と対戦した(写真)開始3分、モールで先制トライ。ところが直後に逆転を許すと、ミスが重なり、点差が開いていく。結果、19-35で敗戦。〝関西勢〟との対戦では6年ぶりとなる黒星を喫した。小松監督は「相手の気迫と執念を前に、自分たちのラグビーができなかった。秋に向け、同じミスを繰り返さないように修正し、特にコンタクトプレーを強化していく」と語った。日本代表初トライ天理大ラグビー部出身シオサイア・フィフィタ選手天理大ラグビー部出身のシオサイア・フィフィタ選手(22歳・近鉄ライナーズ所属)は、先ごろラグビー日本代表として2試合に出場。アイルランド戦で代表初トライを決めた。ヨーロッパ遠征に臨んだ日本代表は6月26日、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズと対戦。欧州4カ国の代表選手で4年に一度編成されるドリームチーム、を相手に、日本代表は10-28で敗れたものの、初の代表戦となったフィフィタ選手はフル出場を果たした。続くアイルランド戦でもフル出場。チームは31-39で敗れたが、フィフィタ選手は後半3分に味方のキックパスを受け、代表初トライを決めた。春季リーグ代替大会で準V天理大バレーボール部男子天理大バレーボール部男子は先ごろ、「セイバーオードリンCUP関西大学バレーボール男子トーナメント」で準優勝した。これは、6月2日に中止が発表された春季リーグ戦の代替大会として開催されたもの。天理大は、決勝で立命館大学と対戦。互いにセットを取り合う接戦となったが、2-3で惜敗した。下記QRコードから、天理大と同志社大が対戦した、関西大学春季トーナメント決勝の動画ニュースを見ることができます。文芸連載小說ふたり星の降る夜は作/片山恭一画/リン前話のあらすじ島と陸がつながる日。深夜、島へ渡ったカンとピノは、願い事をするために祠の前に立つ。そのとき、唸り声のような潮がうごめく音が聞こえた。第29話夏休みの明るい午後潮だまりには小さな海の生き物たちがいた。魚のほかにエビやカニ、ヤドカリ、イソギンチャク、ウニ、ヒトデなど。カンは一つひとつの生き物に見入り、丹念に観察している。昨夜、彼は真っ暗なヤシの林で願い事をした。一生に一度の願いをかけた。言葉を喋らないカンが、どんな言葉を使って願い事を伝えたのかわからない。おかげで今日は昼近くまで寝ていた。目を覚ますと夏休みがはじまっていた。海も山も探検されるのを待っている。昼食を済ませてから、わたしたちは海に出かけた。ツツも誘った。彼女はいま砂に埋まっている。「大変だ!」カンが振り向いた。もう一度、吠えた。ようやく気がついたらしい。埋めてくれと言ったのはツツだ。「砂のなかでしばしの眠りにつくの」などと言っていた彼女は、いまや完全に眠り呆けている。砂砂にに潜った二枚貝のように、鼻と口だけけがが辛辛うじて水面から出ている。カンは慌慌ててツツを掘り出した。わたしが吠えなければ永遠の眠りについていたところだ。「危なかったなあ」。彼女は他人事みたいに言った。「もう少し遅かったら、溺れ死ぬところだった。そうしたら学校中で盛大なお葬式が催されたと思う?」暑くなってきたので泳ぐことにした。ツツはプールの授業で習ったとおり準備体操をした。それから海水で顔を洗い、胸のあたりに水をかけた。これらの手順を一つでも怠ると水難事故につながると考えているらしい。わたしは砂に埋まって呑気に寝ているほうがよほど危険だと思うのだが、彼女にはまた別の意見があるのだろう。ツツは水中眼鏡を持っていないので、カンが自分のものを貸してやった。二人は交互に水に潜り、海の底からいろんなものを持ち帰った。犬は原則として水には潜らない。かわりに浅瀬を走りまわり、ツツのそばで猛然と身体を振って水をはねかけた。海は静かで、遠くまで浅瀬がつづいていた。水遊びをしたあとは身体が重くて力が入らない。しばらく砂浜で休むことにした。こんな安全そうな海でも、過去には何人か溺れて死んだ子どもがいるという。海岸へ打ち寄せた波が、沖へ戻ろうとするときに、泳いでいる者を一緒に連れていってしまうことがあるらしい。だから気をつけるのよ、とハハはカンに言った。いつのまにか二人は再び水遊びに興じている。カンも楽しそうだ。無理もない。ツツの一家に降りかかろうとしていた災いを取り除いたのだから。完全に自分の力ではないけれど、半分くらいはあの子の力と言ってもいいだろう。砂浜にいるのはわたしたちだけだった。地球上から人影がなくなったような気がした。太陽は輝き、海は穏やかだった。夏休みはいまはじまったばかりだ。明るい午後は夏そのものだった。文芸小説「ふたり」のバックナンバーはこちらから