天理時報2021年6月27日号6面
76歳毎日山歩でご守護味わう“高御位山の達人、こと長谷川英樹さん兵庫県加古川市と高砂市の境に位置する標高304メートルの低山「高御位山」。この山に毎日登り、山道の点検・整備を続けている長谷川英樹さん(76歳・志方分教会ようぼく・加古川市)は、加古川市と連携して登山者向けのガイドスタッフなども務めている。長年にわたり山道整備のひのきしんに勤しみ、多く一の登山者の安全を見守ってきた〝高御位山の達人、の思いとは-山道整備のひのきしんを続け「体を大切に使う喜び」伝えて「今日も目が覚めて新たなスタートが切れる。有り難いなあ」長谷川さんは毎朝、自宅で朝づとめを勤めて親神様・教祖に日々のご守護へのお礼と感謝を申し上げる。その後、すぐに作業着に着替えて山へ向かう。〝播磨富士〟と称される高御位山。山頂から明石海峡大橋や淡路島などを見渡すことができ、その眺望の素晴らしさから多くの登山者が連日訪れる。さまざまな登山コースがあり、老若男女を問わず登りやすいハイキングエリアだ。早朝の澄んだ空気のなか、長谷川さんは山道に欠損箇所がないか点検しながら歩く。登山者の多くが登頂に約1時間かかるところを40分で到着すると、山頂に設置されているバイオトイレが正常に稼働しているか点検し、清掃する。これまで大病を患ったことはない。「私にとって、山を歩くと書く山歩〟と歩荷が健康の秘訣。親神様からお借りしている体を大切に使わせていただくために、山に登っている」と。健康への感謝の思いで幼少のころは体が弱く、寝込みがちだった。父親と共に所属教会の月次祭に参拝した際、西村信志方分教会2代会長や夫人のまさゑさんからおさづけを取り次いでもらった。まさゑさんから「かしもの・かりものの教え」を説かれ、「体を大切に使わせていただくように」と仕込まれてきた。その後、高校でマラソンを始め、走ることにのめり込んだ。就職してからも市民ランナーとして大会に出場。その間に、トレーニングの一環で自宅近くの高御位山に登るようになった。「マラソンに取り組む中で、だんだん体が強くなり、寝込むこともなくなった。健康でいられることを実感し、その有り難さを人一倍味わってきた」昭和60年、自治体によって高御位山の山道が整備され、階段が設置された。以来、多くの登山者が訪れるようになる。こうしたなか、長谷川さんがトレーニングで山を訪れたある日、階段の崩れた部分を補修する高齢の登山者と出会った。ほかの人が歩きやすいようにと、自主的に山道を整備する姿を見て、「近くに住んでいる自分が何もしないわくけにはいかない」と思い、その人に声をかけた。補修のために必要なセメントや砂などを登山口から現場まで運ぶ作業を手伝い、自身も整備を心掛けるようになった。定年退職後も、体を大切に使わせていただこうと毎日山に登った。そして、健康への感謝の思いから、山道の点検・整備のひのきしんを本格的に始めた。登山者の安全のため、新たにセメントで階段を作る日本史コンシェルジュ歴女がご案内いたします白駒妃登美ShirakomaHitomi「国民に罪を犯させない」2013年9月、ブエノスアイレスで開かれたIOC総会。五輪招致レースの最終プレゼンで、滝川クリステルさんのスピーチは世界に驚きを与えました。日本では「おもてなし」のフレーズが話題になりましたが、実は彼女のスピーチは、こう続いたのです。「もし皆様が東京で何かをなくしたならば、ほぼ確実にそれは戻ってきます。たとえ現金でも。実際に昨年、現金3千万以上が、落とし物として東京の警察署に届けられました」この数字に、世界は度肝を抜かれたのです。それは同時に、日本人の道徳心の高さ、そして国民と警察の信頼関係を世界が再認識した瞬間でもありました。現代につながる日本の警察制度の礎を築いたのは川路利良です。薩摩藩の下級武士として薩英戦争や戊辰戦争を戦い、その能力を西郷隆盛から高く評価されます。明治6年、ヨーロッパの警察制度の視察から帰国した川路は東京警視庁を創設し、「民衆のための警察」という理想を実現するために邁進しました。その後、西郷が西南戦争で亡くなり、二人の関係は途絶えたかに見えました。しかし不思議な縁で二人の人生は再び重なり合うのです。その発端は、まだ明治維新が起こる前のこと。西郷は薩摩藩主の父・島津久光との間に確執があり、沖永良部島へ島流しに遭いました。雨風に曝され、いつ死んでもおかしくないという日々を送りますが、この絶体絶命の西郷を助けたのが、牢の見張りを担当した役人でした。彼は西郷の人間力に魅了され、献身的に尽くします。そして西郷から人としての生きるべき道や役人の心得を学ぶのです。後年、川路は、この役人から西郷の教えを聞き、魂を震わせました。そして西郷の説いた役人の心得を警察官のあり方に応用して、部下に伝えるようになります。こ川路の言葉をまとめたのが『警眼』です。現在に至るまで、警察官のバイブルとして読み継がれています。私が最も感銘を受けたのは、「警察官にとって、犯罪者の摘発よりも大切な任務がある。それは、国民に罪を犯させないことである」という件。この言葉の中に、国民を慈しむ日本のリーダーの姿が、そして先人たちが築き上げてきた日本の国柄が、溢れていると思うのです。東京五輪が、この誇れる日本の国柄を世界に発信できる場となりますように。