天理時報2021年6月6日号8面
[天理スポーツ]TenriSports逆境乗り越え春季リーグV天理大学野球部は5月24日、神戸市のほっともっとフィールド神戸で行われた阪神大学野球春季リーグ優勝決定戦で甲南大学と対戦し、2-0で勝利。3季ぶり20回目の優勝に輝き、第70回「全日本大学野球選手権記念大会」への出場を決めた。(2日記)天理大野球部昨秋のリーグ戦では、1位の関西国際大学に1ポイント及ばず、2位に終わった同部。その後、春季リーグ戦に向けてウエートトレーニングで体づくりに励むとともに、春先には守備や打ち込みなどの強化練習に取り組み、選手個々のレベルアップを図ってきた。また、他校や社会人チームのほか、プロ野球の阪神タイガース、オリックス・バファローズの2軍チームとも対戦し、実戦経験を積んだ。4月、春季リーグ戦が開幕。抜群のコントロールを持つプロ注目のエース井奥勘太投手(4年)の〝打たせて取る投球〟と堅い守りで失点を抑え、順調に勝ち進んでいく。ところが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でリーグ戦全12試合のうち、3試合の出場辞退を余儀なくされた。その間に甲南大学がリーグ首位に立った。その後、同部はリーグ戦残り3試合に勝利。不戦敗を除く全勝でリーグ戦を終えると、1位の甲南大にポイントで追いつき、優勝決定戦にもつれ込んだ。試合が動いたのは五回裏。吉田元輝選手(2年)が右中間へタイムリー2ベースヒットを放って先制すると、友杉篤輝選手(3年)の適時打で得点を重ね、2-0に。この試合でも井奥投手が好投を見せ、無失点でゲームセット。コロナ禍による逆境を乗り越え、春季リーグ戦優勝を果たした(写真)。藤原忠理監督(55歳)は「選手一人ひとりがしっかりと現状を受け入れ、いつでも全力で試合に臨めるように最善を尽くしたからこその結果だと思う。今回の経験を糧に、野球ができることに感謝して、全国でも精いっぱいプレーしてもらいたい」と語った。久後健太キャプテン(4年)は「苦しんだ時期もあったが、心を倒さず、チーム全員が一手一つになって優勝を掴み取ることができた。全日本選手権記念大会では、これまで以上に気を引き締めて試合に臨み、優勝を目指したい」と話した。なお、第70回「全日本大学野球選手権記念大会」は7日から13日にかけて、東京都新宿区の明治神宮野球場と文京区の東京ドームで開催される。天理大は初日午前9時から、明治神宮野球場で南東北大学野球連盟代表の石巻専修大学との開幕戦に臨む。日本代表に選出天理大ラグビー部出身シオサイア・フィフィタ選手日本ラグビーフットボール協会は5月24日、2021年度の日本代表メンバーを発表。天理大学ラグビー部出身のシオサイア・フィフィタ選手(22歳・近鉄ライナーズ所属・WTB・CTB)が初の代表に選ばれた。県新人大会V天理高ラグビー部天理高校ラグビー部は5月23日に行われた「奈良県高校ラグビー新人大会」1・2位決定戦に出場。ライバルの御所実業高校と対戦、16-7で勝利した。文芸連載小說ふたり星の降る夜は作/片山恭一画/リン第26話空と海二つが一つとなりいつかトトが言っていた。大人になるといろんなことが見える。だから大人はみんな苦しそうな顔をしている。カンは大人ではないから苦しみを顔に表さない。だが人知れず思い悩んでいることに変わりはない。あの子にもいろんなものが見えるからだ。遠くの場所や時間が。それは人間たちのあいだで「未来」と呼びならわされているものだ。こんなことを思った。近くにある空と海は別のものだ。海には触れることができるけれど、空はただ見上げるしかない。ところが遠くのほうへ行くと、二つは徐々に近づいて一つになる。そんな具合に、あの子のなかでは現在と未来が一つになっているのかもしれない。空気が澄んだ日に遠くのものが見えるように、心が澄み渡ると未来が見えてしまうのかもしれない。毎日、カンは砂浜に出かけてじっと島のほうを見ていた。わたしにはあの子が何を考えているのかわかった。願い事をするつもりなのだ。一生でただ一つの願い事を、ツツたちのために使おうとしている。本当にいいのかい?いいも悪いも、他に方法がないのだろう。夢で見た恐ろしい情景が迫ってくる。目を閉じても見えてしまう。まるで自分よりも近くにあるみたいに。砂浜にはときどきツツもやって来た。事情を知らない彼女は、フウちゃんから太鼓を習っている話をした。「ジャンべっていう楽器。くり抜いたた木にヤギの皮を張って作るんだって。叩き方でいろんな音を出すことができるの。いま基本を練習しているところ」「ツツは「ほら」と言って自分の手を差し出した。「触ってみて」どの指も先のほうが白っぽく盛り上がっている。「硬いでしょう」。指先を軽く揉みながら言った。「難しいんだ。なかなかおとうさんみたいに、大きくて透き通った音は出せない。おとうさんが叩くとね、音音は光みたいに目に見えるの。叩くたびにに指先から光が出て、宇宙の彼方方まで飛んでいくような感じ」沖合を小舟が静かに横切っていく。日差しが強いので、小舟は白く光って見えた。「アフリカの音楽はピアノみたいに楽譜で教えることができなツは言った。「身体の感覚でおぼえるわけよね。リズムを感じて、感じるままに身体を動かすことで音楽をおぼえていく。身体とリズムが一つになったときに、太鼓の神さまが降りてくるらしいんだけど……。まあ、一生懸命に練習するしかないってことかな」その太鼓の神さまは、なんとかしてくれないだろうか。ツツの一家に降りかかろうとしている禍々しい出来事を宇宙の彼方へ弾き飛ばしてはくれないだろうか。このままではカンの夏休みははじまらない。はじまる前に終わってしまう。わたしは自分が犬であることを忘れ、あの子のために何ができるだろうかと考えた。「ふたり」のバックナンバーを道友社HPで公開中。登場人物の相関図や作者のプロフィールも閲覧することができます。下記QRコードからアクセスしてください。