天理時報2021年5月2日号6面
修養科の四季妻の明るさの“原点”を知る[第948期ベンジャミン高橋ヨルゲンセンさん23歳・名古屋市名輝心分教会所属ノルウェー人の私が天理教を知ったのは、昨年10月に結婚した妻との出会いがきっかけだった。ノルウェーの大学で知り合い、彼女の帰国後、私が日本の大学へ留学した。いつも前向きで、笑顔を絶やさない姿に惹かれていった。二人の将来を考え始めたころ、彼女から「天理教を信仰している」と知らされた。聞いたことのない宗教で驚いたが、彼女の明るさの根底にある“原点”を知りたい思いのほうが強かった。その後、大学で学びながら彼女の実家でもある教会へ足を運び、教会の御用を手伝った。婚約が決まり、彼女の両親から修養科を勧められた際、「教えを学べるチャンスだ」と英語クラスを志願した。妹の身上からいんねんを思案おぢばに来て、まず驚いたのは、お道の人の優しさだ。北欧人は内気で、人とは深く関わらない。一方、お道の人たちは皆温かく、困っていればすぐ手を差し伸べてくれる。先生の説明は丁寧で、私の素朴な質問にも明快に答えてくださった。当初は疑問に思った「おつとめ」も、命の切り替えをする大切な祭儀であることを知った。そして何より、妻の根底には「陽気ぐらし」の教えがあって、それを実践していたのだと気づくことができた。教理のイメージをつかみ始めた2ヵ月目の中ごろ。ノルウェーにいる妹が原因不明の病気で入院し、緊急手術を受けることになった。8千㌔離れた母国で苦しむ妹を思い、授業で習ったようにお願いづとめを勤め、懸命にたすかりを祈った。翌日、判明した病名を聞いて驚いた。半年前に私が罹った身上と同じだったのだ。その夜、思案を重ねる中で、ふと、授業で聞いた「いんねん」の教えを思い出した。「私や妹の身上を通じて、神様がメッセージを下さっているのでは」と感じた。「いんねんを自覚し、教えに沿って通ることで運命は切り替わっていくと教えられている。まずは、自分が神様の思いに沿う通り方をしよう」と、不思議と心が定まっていった。それからは、日々の生活の中で、ご守護への感謝を味わえるようになり、「かしもの・かもの」を意識しながらひのきしんに勤しむようになった。妻の信仰姿勢に、一歩近づけたように思った。3カ月目、妹の身上が回復に向かっていると連絡を受けた。「神様は私の思いを受け取ってくださった」と、その存在を身をもって感じることができた。ノルウェー人は一般的にキリスト教の教会に所属しているが、参拝は、イベントの日にしか行かない人が多い。以前の私もそうであり、もし宗教について尋ねられたら「無宗教主義です」と答えていただろう。しかし現在は、お導きによりこの素晴らしい教えを知ることができた。修養生活で得た学びや喜びを、ノルウェーの友人や知人にも伝えていきたいと思っている。修了後、大教会での伏せ込みを経て、教会に住み込みながら会社勤めをしている。そんななか、妻との間に子供を授かった。守るべき家族が増えて責任を感じるとともに、神様にお導きいただく大切さを、より一層実感する毎日だ。その思いに沿えるよう、家族3人、手を取り合って歩んでいきたい。春風が吹き渡るなか、勇んでひのきしんに勤しむ修養科生人と関わる知恵カウンセリングエッセー金山元春天理大学教授本部直属淀分教会淀高知布教所長人的環境の一員として動く「障害者・障害児」という言葉があります。「障害」とは個人に帰属されるもの(個人が「障害」を持っている)と捉えられがちですが、現在の国際的な共通認識では、「障害」とは「個人と環境との相互作用」の結果として生じるものと捉えられています。つまり、ある特性を持つ個人が、ある環境で生活しているとき、その生活に相当な制限を受ける状態が継続している場合、その「状況」を指して「障害」と呼んでいるのです。こうした認識からは、「障害状況」を軽減させるには、周囲の環境を変える必要があるという発想が生まれます。ここでいう環境には、物理的環境だけでなく、人的環境も含まれます。人的環境とは、簡単に言えば人間関係のことです。さらに言うと、物理的環境、もと人との関わりによって大きく変化します。たとえば、「似た文字の区「別が難しい」という特性から授業に参加することが困難な子供がいるとします。その子が授業に参加できるように、教室の物理的環境(適切な教材・教具)や人的環境(互いを認め合う関係)を整備するためには、その子の特性を理解して支える人が必要です。そのような人がいれば、授業参加が困難であるという「障害状況」は軽減するでしょう。逆に、その子の特性を理解せず、「怠けている」と捉えて、「何度も言っているだろう!どうして分からないんだ!」などと叱責する人がいれば、「障害状況」は拡大してしまいます。これは「問題」の捉え方に関しても同様です。そこに「問題児」がいるのではなく、「問題状況」が生じているのだと理解しましょう。特に、このエッセーのテーマである「カウンセリング」や「心理学」への関心が強い人は、物事の原因を個人の内面によって説明しがちであり、ともすれば他者に変化を強いる恐れがあります。「障害」や「問があるとされる状況では、周囲の環境に目を配り、自分も人的環境の一員であると認識して動くことが大切です。その状況を好転させるために自分ができることを考え、少しずつでも実行へと移していきましょう。絵●うえかな