天理時報2021年4月4日号8面
[天理スポーツ]TenriSports春のセンバツ24年ぶりベスト4天理高校野球部は、3月19日に開幕した「選抜高校「野球大会」に出場。投打の中心選手が活躍して強豪校を撃破し、24年ぶりにベスト4入りを果たした。ここでは、準々決勝までの勝ち上がりを中心に報じる。(3月31日記)天理高校野球部2年ぶりとなる今年のセンバツ大会は、観客数を1万人に制限するなどの感染対策を講じたうえで開催。アルプス席でのブラスバンド演奏も行われず、事前に収録した音源を流し、声援も控えるよう促されている。天理高は、20日に行われた初戦で宮崎商業高校と対戦。序盤から得点を重ねて7-1と快勝した。試合後、中村良二監督(52歳)は、昨年10月に出直した橋本武徳前監督の墓前に赴き、センバツ大会での勝利を報告した。25日に行われた2回戦では、昨秋の関東大会覇者で強力打線を擁する高崎健康福祉大学高崎高校(群馬)と対戦した。天理高は初回からヒットを重ねて得点を挙げる一方、エースの達孝太投手(2年)が緩急をつけたピッチングで相手打線を抑えていく。2点リードで迎えた七回、2アウト、一二塁で四番の瀬千皓選手(同)がセンターへ2点タイムリーツーベースヒットを放ち、4-0。達投手は2安打8奪三振で完封。投打の柱の活躍が光った。打線つながり大量得点29日に行われた準々決勝は、2回戦を13-5の大差で勝ち上がった強豪・仙台育英高校(宮城)と対戦。ベスト4進出が懸かる試合開始前、アルプス席の保護者や学校関係者らに向かって、選手たちが「よろしくお願いします」とあいさつすると、温かい拍手が送られた。後攻の天理高は初回に2点を先取するも、三回表にホームランなどで2点を返される。同点で迎えた四回裏。2アウト満塁のチャンスを迎えると、アルプス席上段のスピーカーから、天理高吹奏楽部が事前に演奏・収録した伝統のチャンステーマ曲『ワッショイ』が流れる。打席に立つのは政所蒼太選手(同)。直球をレフト前へ運んでを勝ち越すと、続く内山2点陽斗主将(同)も2点タイムリ-ツーベースヒットを放つなど、天理打線が火を吹いた(写真)。その後、八回に1点を返されたが、九回は堅守で相手の反撃を抑え、10-3でゲームセット。24年ぶりとなるセンバツ大会ベスト4進出を決めた。この日、2点タイムリーヒットなど3安打の活躍を見せた瀬選手は「いつも達に助けてもらっているので、今度は野手が達を助けようという思いで、全員がしっかりと打線をつなぐ意識で打てた」と話した。天理高は31日、準決勝で東海大学付属相模高校(神奈川)と対戦。0-2で惜しくも敗れた。なお、センバツ大会に向けて練習に励む天理ナインの動画を、下記QRコードから見ることができる。選抜大会ベスト8天理高ラグビー部天理高校ラグビー部は、3月25日に開幕した「全国高校選抜ラグビー大会」に出場。準々決勝で優勝候補の桐蔭学園高校(神奈川)と対戦し、12-24で敗れてベスト8となった。文芸連載小說ふたり星の降る夜は作/片山恭一画/リン第20話アフリカの悲しい物語真っ白い砂がきらきら輝いている。フウちゃんはホテルでの仕事の行き帰りにここを見つけたらしい。「こんな砂浜はアフリカでもアメリカでも見たことがないよ」浜辺に来るといつもやる遊びをはじめた。カンが黄色のテニスボールを海に向かって投げる。わたしは弾丸のように飛び出し、水のなかを猛然と駆けてボールを取ってくる。体力維持のための軽い運動といったところだ。ツツは自分もやりたいと言った。腹立たしいことに、彼女の投げたボルはカンよりも遠くまで飛んでいった。暑さで頭ががんがんんする。全身の毛が水で濡れていいるのか汗で濡れているのかわかからなくなった。フウちゃんが「お昼だよ」と言ってくれなければ、波打ち際で息絶えていたかもしれない。サユリさんが手製のサンドイッチを持たせてくれていた。パンはハハが焼いたものだ。魔法瓶には熱いコーヒーが入っている。カンがハムとチーズを挟んだサンドイッチを少し分けてくれた。ツツも同じようにした。今日一日、カンのやるとおりに自分もやってみるつもりらしい。「わたしもピノみたいに真っ黒い髪だったらよかったな」。ツツが誰にともなく言った。「別にいまの髪がいやってわけじゃないのよ。でも、やっぱり黒のほうがいいな。とくにこの国ではね。目立っちゃうから、明るい茶色は」羨望のまなざしを受け止めかねて、わたしは立ち上がった。波は静かで水は宝石のように透き通っている。浅瀬でカニが海藻をついばんでいる。砂の表面にはは波の跡が残っていて、小さなヤドカリがが歩いては立ち止まり、また歩きだすといいったことを繰り返している。天国のように平和だった。海も空も美しく、砂浜に群生した植物たちはみんな静かで、ヤシの木は明るい日差しのなかでまどろんでいる。あまりにも申し分のない一日は、かえって現実味のないものに感じられる。この平穏な一日が、ずっと終わらなければいいと思った。フウちゃんが修理したばかりの太鼓を叩いていた。ツツとカンは水に入って、丸いすべすべした小石や砂で磨かれたガラス瓶のかけらなどを集めている。わたしはヤシの木陰に寝そべって太鼓の音色に耳を傾けた。太鼓は女の人が泣いているような悲しい音色をたてた。帰りの車のなかで、フウちゃんはアフフリカの音楽の話をしてくれた。アフリカカに暮らす多くの人たちのあいだでは、数数世代前まで文字で何かを書き記す習慣ががなかった。それで土地の伝説や物語を残すときには歌で伝えた。だから音楽はとても大切にされた。話を聞きながらわたしは思った。さっきフウちゃんが叩いていた太鼓は、きっと悲しい物語を伝えるものだったのだろう。「ふたり」のバックナンバーを道友社HPで公開中。登場人物の相関図や作者のプロフィールも閲覧することができます。下記QRコードからアクセスしてください。