天理時報2021年1月24日号2面
漆黒のジャージーは我らの誉れ教友・市民らの応援が力に大学選手権トピックス集応援旗を選手のもとへTRCと市民ら天理ラグビークラブ(TRC)は、大学選手権決勝前日の10日、親里競技場でメッセージ付きの応援旗作りを行った。これは、コロナ禍の影響で決勝の観客数が大幅に制限されたことを受け、「天理ラグビーファンの声援を選手たちに届けたい」との思いから企画されたもの。同日、中山大亮様、並健・天理市長をはじめ、管内学校のラグビー部員や指導者、ファンらが親里競技場に参集。ラグビー部のスローガンである「一手一つ」の文字が大きく書かれた漆黒の応援旗に、各自メッセジをしたためた(写真)。応援旗はその後、同部スタッフによって東京・国立競技場へ届けられ、試合前のロッカールームで選手たちの目の前に広げられた。中田一・TRC理事長は「天理ラグビーの集大成となる活躍を披露し、初優勝したことは大変誇らしく、うれしく思う。この功績は天理ラグビーの歴史に刻まれ、この先も語り継がれるだろう。今後も、ますますの活躍を願っている」と、お祝いコメントを贈った。元主将からも喜びの声天理ラグビーを体現立川理道さん(2011年度キャプテン・31歳・但八分教会みちのり布教所ようぼく・クボタスピアーズ所属)決勝の試合内容は「素晴らしい」のひと言。攻撃・守備の両面で80分間ひたむきに戦い、天理ラグビーを体現してくれました。最も感銘を受けたのは小松節夫監督や松岡大和主将の言葉です。大学や天理市、OB、メンバーに入れなかった選手を思う言葉が多くて感動しました。新型コロナウイルスの集団感染が発生した際に多くの応援の声が寄せられ、日本一という結果で恩返しをすることを目標に掲げて、それを実現したことを誇りに思います。チーム力を高め、さらに新しい歴史をつくっていくことを期待しています。初優勝は努力の賜物島根一磨さん(2018年度キャプテン・24歳・作州分教会ようぼくパナソニックワイルドナイツ所属)スローガンの「一手一つ」を体現し、小松監督を胴上げした姿に感動しました。2年前は、決勝の緊張感と相手チームへの声援などにより、自分たちの力を出しきれませんでした。しかし、優勝した明治の選手が喜ぶ姿を全員が目に焼きつけ、そのとき感じた悔しさを忘れずにトレーニングに励んだ結果、今年は素晴らしいパフォーマンスを発揮できたと思います。初優勝は、キャプテンを中心とした4年生の努力の賜物だと思います。ラグビ一部の皆さん、本当におめでとうございます。“弟分”に夢を託して初優勝に大きく貢献したトンガ人留学生のシオサイア・フィフィタ選手(4年)とアシペリ・モアラ選手(3年)の活躍を心から喜んだのは、同部のトンガ人留学生第1号で、昨年から母校・日本航空高校石川ラグビー部監督を務めるシアオシ・ナイさん(3歳)だ。平成17年に来日したナイさんは、同校2年時の親里での合同練習の際に、小松監督に声をかけられ、天理大へ進学した。ところが、大学では両足に大けがを負い、満足にプレーできなかった。それでもナイさんは「けがをした私を励ましてくれた天理の仲間の姿を通じて、感謝の心やたすけ合い、心を倒さずに努力することの大切さを学んだ」と振り返る。卒業後、母校のラグビー部コーチに就任したナイさん(=写真左)は、来日したばかりのフィフィタ選手(=同右)を指導。生活面もサポートし、進路に悩む選手たちには自身の経験を伝え、天理大への進学を後押ししている。ナイさんは「自分が成し遂げられなかった日本一の夢を、〝弟分〟であるサイアやアシペリが達成してくれたことを誇りに思う。自分も教え子たちに負けないよう、指導に力を入れていきたい」と語った。憧れの先輩へ恩返し決勝で4トライを挙げた市川敬太選手(4年)。天理大へ進学した背景には、ある先輩の存在があった。東大阪市立日新高校では1年時から試合に出場するも、全国大会予選で強豪校に完敗し、花園の夢舞台には一度も立てなかった。そんななか、日新高で教育実習を行っていた同部Bの白井竜馬さん(28歳・クボタスピアーズ所属)か天理大への進学を勧められた。「日新高校の卒業生で唯一のトップリーガーになった先輩に憧れた」天理大へ進学後、練習に明け暮れ、3年時から試合に出場するようになると、今季は主力として活躍。初優勝に大きく貢献した。市川選手は「あのとき学を勧められていなかったら、日本一を経験できなかった。白井先輩には感謝の気持ちでいっぱい」と。一方の白井さんは「同じ高校出身の市川選手が天理へ進み、初の日本一をつかみ取ってくれて素直にうれしい」と話した。学生コーチ陣も尽力初優勝の裏には、試合に出場していない学生コーチ陣の支えがあった部員の一人、紺谷憲治さん(4年)は一昨年10月、練習中に「脳震盪」を起こして競技から離れざるを得なくなった。一時は心を倒しかけたが、小松監督や仲間の助言もあって、学生コーチとしてチームを陰から支えようと心に決めた。その後、紺谷さんは主に守備面を担当。同じく学生コーチの神田善行さん(同)は相手の攻撃パターンを分析。寺尾雄博さん(同)福岡拓歩さん(同)の二人は、ラインアウト専門部隊〟を結成し、強豪校のサインや癖を研究したほか、レギュラーメンバーの弱点を洗い出して修正点を伝えた。迎えた決勝当日。天理大は早稲田大学を攻守で圧倒し、マイボールラインアウトは2本中1本獲得。4人は仲間が好プレーを見せるたびに喜びを噛み締めた。紺谷さんは「キャプテンの『全員で優勝しよう』という強い気持ちがレギュラメンバーだけでなく、チーム全体で『一手一つ』になろうとする意識の向上につながった。優勝できて本当にうれしい」と笑顔で話した。ステーキ肉で応援ニュージーランド輸入商社の「グローサリーMANUKA」(大阪市)は、準決勝と決勝の前の2度、ニュージーランド産のグラスフェッドビーフステーキを同部に贈呈した。同社は関西のラグビー熱を盛り上げようと、併設すレストランで定期的にイベントを開催。2年前には小松監督を迎えたトークイベントも実施した。昨年、コロナ禍の影響で店舗営業の自粛を余儀なくされるなか、多くのラグビ関係者から支援が寄せられた。同社では「ラグビー界への恩返しを」との思いから、関西を代表して大学選手権に臨む天理大に、部員全員分のステーキ肉、計15㌔を寄贈した。同社の担当者は「選手たちの活力になればと思い、牛肉を贈った。初優勝してくれたことを大変うれしく思う。何らかの形でお祝いできれば」と話している。夜の天理駅で出迎え決勝戦当日の11日午後9時。天理駅前には、同部の選手、スタッフの帰りを待大学や市の関係者、市民らが駆けつけた(写真)小松監督を先頭に選手たちが改札を出ると、拍手が次々と湧き起こり、「優勝おめでとう!」などの声が上がった。永尾教昭・天理大学長、並河市長らから花束が贈られた後、チームを代表して小松監督があいさつ。「皆様の支えがあって、ようやく日本一を勝ち取れた。連覇、3連覇を目指したい」と語った。続いて松岡主将が「この一年間、コロナの影響でさまざまなことがあったが、皆さんの応援を原動力に、日本一になって恩返しをすることができた。この経験を生かして後輩たちも頑張っていくので、引き続き熱い応援をお願いします」と話した。なお、天理駅での小松監督、松岡主将のあいさつの動画を、左記QRコードから見ることができる。松岡主将のあいさつ小松監督のあいさつネットで情報発信道友社は、インターネットやSNSで、いち早く試合結果を発信した。道友社フェイスブックでは、試合終了直後の午後3時33分、第1報として試合結果を投稿。1千件以上のリアクションがあり、シェアは86件を数えたほか、「初優勝おめでとうございます!」「感動をありがとう」「優勝インタビューでは私も泣いちゃいました」といった喜びのコメントが寄せられた。また、道友社インスタグラムでは、カレーファイブの5人が黒のラグビージャージーを着用し、初優勝を祝うイラストを投稿。「いいね!」の件数は30件に上った。さらに、時報などのコンテンツをまとめた若者向けウェブサイト「JOYOUSLIFE!」のアクセスも急増。なかでも、2年前に公開された小松監督のインタビュー記事が人気で、11日のアクセスだけで12月平均の約300倍を記録した。このほか、決勝戦に先立つ7日、道友社ホームページ上に「挑み続けた魂の軌跡」と銘打った天理大ラグビー部の歴史をたどる特設ページを開設。決勝当日の午後1時ごろから同ページへのアクセス数が増加し、「JOYOUSLIFE!」内でも同ページへのリンクを併設したところ、さらにアクセスが殺到。1、112の両日で5千件以上に上った。なお決勝戦終了後、同ぺージには早稲田大を相手に奮闘する天理フィフティーンや、優勝トロフィーとともにチャンピオンボードの前に集まる選手たちの写真などを追加でアップしている(下段広告参照)。SNSにも反響多数試合中から終了後にかけて、ツイッターではラグビファンによる、さまざまな反応があった。終了直後には、「天理」のワードを含むツイートが15分間に2千件以上投稿されたほか、「天理大学」のワードが、一時トレンド入りした。多くのラグビーファンは「初優勝おめでとう!」「圧倒的な強さでした」「本当に素晴らしい」など、同部の優勝を祝福するツイートを投稿。さらに、「熱いインタビューにも感動しました!」「最後のキャプテンの言葉を聞いて、グッと来た」「応援している人への感謝を伝えていたし、本当にいいチームですね」と、松岡主将のインタビューに関するツイートが数多く見られた。このほか早稲田ファンと思われるユーザーも「母校の早稲田を応援していましたが、今回は完敗でした」「今日は天理の強さが光りました」など、天理大の初優勝を称えた。優勝記念タオル発売道友社は、「天理大学ラグビー部優勝記念マフラー「タオル」を24日から各販売所で発売する(写真)このタオルは、同部の大学選手権初優勝を記念して臨時に製作したもの。チームのジニャージーカラである黒を基調に、チームスローガンである「一手一つ」などの文字がデザイされている。定価は1千円(税込)。お求めは、道友社本社、おやさと書店まで。和楽『吾輩は猫である』で一躍文名をあげた夏目漱石は、『草枕』という小説を発表し、世評が気になっていた。そんなとき親しい友から手紙で感想をもらう。心をくすぐる文面だったのだろう、礼状にこんな一文を添えている。「実は嬉しいから(あなたの手紙を)二編繰り返して読みました」。良い手紙とは、何度も読み返したくなる手紙のことをいうのかもしれないもらう側も贈る側も嬉しい、そんな手紙の往来を漱石は生涯大切にした。はなむけの便りを贈る際の流儀が奥深い。どんな言葉を紡げば、相手の心が華やぐか。その一言一句を吟味する労力を決して惜しまなかったという。鉄則は、お祝い事を知ったらすぐに筆を執る。感激は新鮮なうちに届けるのが良いということだろう▼1月11日、天理大学ラグビー部のSNSにお祝いのメッセージが勢いよく押し寄せた。全国大学ラグビー選手権大会決勝の日、悲願の日本一を成し遂げた瞬間から、それこそ鮮度の良い言葉の数々が届けられた。「王者にふさわしい素晴らしいチーム」「パワーあふれるプレーとチームワークに感動した」「歴史的瞬間に立ち会えて嬉しい」「3度目の正直でやっと頂点に立てた」「今年の天理は本「当に強かった」等々。どのメッセージも、みずみずしい感激と喜びを分かち合う温かい心にあふれている。もらう側も贈る側も嬉しい言葉とは、このことを言うのだろうところで、漱石の手紙の言葉をもじってみる。「実は嬉しいから、録画した決勝の試合を何度も「見ています」。図星の天理ラグビーファンも多いだろう。読み返したくなる小説が名作なら、もう一度見たくなる試合は名勝負になろうか。今宵も日本一になった名勝負を振り返りながら、天理フィフティーンに捧ぐ感謝の杯を挙げるとしよう。(大西)「憩の家」事情部電話相談専用0743-63-4555挑み続けた魂の軌跡『天理時報』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