天理時報2022年11月23日号5面
【時報俳壇(11月23日号)- ふじもとよしこ選】天高しをやの声受く秋大祭箕面市 志賀道雄松茸やそえ文までも香を濃くし秋田市 高橋重雄名月の神苑照らす旬の声吹田市 楓芳雄月一度子へ書く便り小鳥来る札幌市 田森つとむ桐一葉さずけ合ふ日々二人きり京都市 西加代子烏城描く墨に五彩や竹の春天理市 山田実石ければ音のかそけし草の花豊川市 菊地美智代虫一夜定めの生をひたに鳴く天理市 北おさむ天高し諭達を拝す心して岩手県 高屋敷節子一年を明らかにして彼岸花門真市 傳石敏治身に沁むや朝の急須の茶の揺らぎ近江八幡市 若林白扇琵琶の音の深き愁ひや月今宵大津市 平井紀夫みかぐらの調べに舞うや秋茜和歌山市 西澤喜久治ぶるぶると土を散らして落花生東京都 吉田柳哲価値観の一変したる敗戦忌横浜市 番家達也縁側をいつ飛び立つか赤とんぼ東京都 金子ひろみ秋空を眺めて感謝里暮しいなべ市 筒井みつ江漁火の消えたる海に遅の月福岡市 鎌田秀徳梨を剥く間の会話滴るる市川市 小松富子若衆の陽気ておどり爽やかに飯田市 本島美紀晴れぶたい山粧いて紅もひき小樽市 佐藤和子にをいがけあらきとうりょう鰯雲宇治市 原清彦傘寿の夫地場へ日帰り秋うらら町田市 鯉渕洋子めざめれば窓枠中の木々の秋広島市 大村佳光電話越にまで聞こゆる虫の秋茨木市 長宗信爾大祭に秋めく木々や友三人北九州市 石井喜代美山里や柿豊作の猿むるる田辺市 石田安子選者詠望の月生れし海峡波しづか【評】志賀さん「諭達第四号」発布に当たり、真柱様のお言葉を聞かせていただいた秋季大祭でした。この佳き日の季語として「天高し」が生きています。高橋さん松茸は芳香が高く風味が優れていて珍重されます。そえ文にまで濃き香が。作者は顎が落ちたかもしれません。楓さん中秋の月光が神苑に澄み渡っています。旬の声とは虫の声。そして作者にとっては、諭達発布の時旬の声だったのかもしれません。次回は、12月5日までの到着分から選句。投稿は新年に関する俳句3句まで。お名前(ふりがな)、電話番号、住所を付記のうえ、下記までお送りください。〒632‐8686 天理郵便局私書箱30号「時報俳壇」係Eメール[email protected]