多くの温もりにふれた“もう一つのふるさと”- 修養科の四季
第959期 三浦とも恵さん 38歳・東京都・廣誠分教会所属
未信仰だった私が天理教を知ったのは、教会長の次男である夫との出会いがきっかけでした。兄弟仲良くたすけ合い、両親を大切にする夫の姿に惹かれ、4年前に結婚しました。
所属教会が広島県にあるので、月次祭に毎月参拝することすら難しく、信仰を深めることができませんでした。しかし、教えを胸に過ごす夫や義父母の姿を見て理解を深めたいという思いが高まったこと、また2歳半になる息子にとっても良い経験になると思い、今年5月に修養科を志願しました。
お道の人の生き方を知る
信仰を始めて間もない私にとって、おぢばでの暮らしはすべて未知の世界であり、息子を連れての修養生活に漠然とした不安を抱えていました。
しかし、いざおぢばに着くと、壮観な神殿とおやさとやかたの圧倒的な存在感、一帯を囲む山並みの新緑、手入れの行き届いた神苑の草花など、数々の美しい光景に心を洗われました。
日常は、詰所の仲間や先生方がいつも手を差し伸べてくださいました。
特に幼い子供を連れていたため、思い悩むことがあれば励ましてくださったり、子供と遊んでくださったりする先生方のおかげで、修練に取り組むことができました。
何より驚いたのが天理託児所の温かい支援態勢です。無償のうえ、子供一人ひとりを大切に思い、何事も喜んでつとめていらっしゃる所員の方々の姿に、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
修養生活で出会う人たちは、「どうすれば喜んでもらえるか」と、何よりも相手のたすかりを心から考えていらっしゃいました。
「これがお道の人の生き方なんだ」
そう気づいたとき、思わず涙が出そうになりました。
2カ月目、目の充血と痛みが治まらない日が続きました。そんななか、大勢の人が代わる代わるおさづけを取り次いでくださいました。その手の温もりや息づかいなどを通じて、おさづけの尊さを肌で感じました。同時に、それまでは気づいていなかった、健康な体をお貸しいただいていることのありがたさを実感しました。
3カ月間の修養生活では、私と息子が無事通りきれるよう、たくさんの方が励まし、支えてくださいました。息子が楽しそうに笑う姿を見て、修養科にお引き寄せいただいて良かったと心から感じています。
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先月、家族でおぢば帰りをしました。そのとき、黄金色に色づく銀杏並木を見て、おぢばは私にとって“もう一つのふるさと”だと感じました。おぢばを心の拠り所にして、日々の生活で少しずつ成人させていただきたいと思います。