5年ぶり現地活動 タイで教育支援に – 天理大学「国際参加プロジェクト」
天理大学国際交流センター室が主導する第19回「国際参加プロジェクト」は、2月11日から27日にかけてタイ王国の3都市・県を拠点に実施された。同プロジェクトの現地活動は5年ぶり。また、同国での実施は初となった。
参加した学生23人は、現地の小学校など3校を訪問して教育支援に尽力したほか、清掃活動を行った。
同プロジェクトは、天理大学が標榜する「他者への献身」を国際的な舞台で実践するもの。2001年、インド西部地震の際に現地で救援活動を行って以来、アジアの発展途上国へ活動の場を広げ、災害救援や教育支援などを展開してきた。
首都で清掃活動も
1980年代以降、タイでは国外からの支援や民間投資を受けながら、工業を中心に経済発展が進んでいる。その一方で、都市部と農村部間の”貧富の差”が広がり、社会問題となっている。
12日に現地入りした一行は、オリエンテーションを経て、16日から東北地方マハーサーラカーム県の農村にあるノンバンクー小学校で活動開始。絵やジェスチャーを交えて折り紙や書道などの日本文化を紹介する“特別授業”を行い、現地児童と交流した。
続いて、北部の都市チェンマイへ移動。21日には山岳部少数民族のカレン族が暮らすノンタオ村のノンタオ小学校で、22日には小中高一貫校のバンガード学校で、それぞれ児童・生徒らと交流を持った。
この後、一行は首都バンコクへ。バンコク都環境局の協力のもと、チャオプラヤ川で清掃活動を行った。これは、野口信也・タイ出張所長が、環境局長を務めていた旧友に協力を打診して実現したもの。
快晴の空のもと、学生は環境局の清掃員と共に13隻のボートに分乗し、川に浮かぶ大量の浮草とごみを回収した。
なお、期間中にはノンタオ小へスネアドラムなど約53,000円分を寄贈。また、生活インフラの整備不足による漏電が原因で家が全焼した同校生徒の家庭に、お見舞金10,000円を寄付した。これらは、学生が事前に国内で募金活動して集めた支援金から拠出した。
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参加した学生の一人で、将来は発展途上国で教育支援に従事する夢を持つ、プロジェクトリーダーの宮岡里穂さん(国際学部4年・入間野分教会ようぼく)は「特別授業のゲームの時間では、子供たちが笑顔で参加してくれ、言葉の壁を越えて通じ合えたように感じた。また、支援の形にとらわれず、人のために何ができるか考えて行動することが大切と感じた」と話した。