ものを大切にする心 – おやのことば・おやのこころ
2023年4月22日
おやのことば・おやのこころ すたりもの身につくで。
『稿本天理教教祖伝逸話篇』112「一に愛想」
いやしいのと違う。
暖かく穏やかな風が吹く季節となりました。
輝く若葉を眺め、草花の息吹を感じながら自転車を漕いでいると、それだけで心が弾んできます。ペダルを踏んで追いかけてくる小学1年生の長女も、気分良さそうです。
親子でサイクリングに出かけ、爽やかな気持ちに浸ると、いつも思い出す情景があります。
長女が保育園へ通い始めたときのことです。使わなくなった自転車をある方から譲っていただき、汚れや錆などをきれいに落として、長女にプレゼントしたことがありました。とても欲しがっていた物だけに、親としては内心、新品の贈り物ではないという後ろめたさも少しありましたが、当の本人は目を輝かせていました。
「この自転車、お父さんが磨いてくれたの!」
そう言って、近所の方に自転車を得意げに見せていた長女の姿を、いまでも鮮明に覚えています。「買ってくれたの!」よりも、うれしい言葉でした。物を大切にする気持ちが少しでも伝わったように思えて、胸に込み上げるものがありました。このときの情景を思い出すたび、掲出のお言葉が心に浮かんでくるのです。
あれから3年。いま長女が乗っている自転車も、ある方からのお下がりです。もちろん、ピカピカに磨き上げてプレゼントしました。長女いわく、毎日大事に乗って、いつか二つ年下の妹に譲りたいそうです。
(大西)