モンゴル五輪委員会 最高勲章 – 天理大学 永尾教昭前学長・同柔道部 穴井隆将監督
留学生の柔道指導への貢献で
天理大学の永尾教昭前学長(本部員)と、同柔道部の穴井隆将監督は9日、奈良市内で行われた「モンゴル国オリンピック委員会 勲章受章式」に出席。天理大学在学のモンゴル人留学生の柔道指導に貢献したことが称えられ、同国五輪委員会の最高勲章である「アルタン・オチル勲章」を受けた。
天理大学とモンゴルの柔道を通じての交流は2017年、モンゴル人留学生ツェツェンツェンゲル・オドフ選手が柔道部に入部したことに始まる。
モンゴル時代から「アジアカデ・ジュニア柔道選手権大会」男子90キロ級で3位入賞するなど、有力選手として知られたツェンゲル選手。その後、天理大学へ留学し、穴井監督のもと”天理柔道”を学び、めきめきと頭角を現していく。
天理大学では国内の学生大会で活躍したほか、モンゴルの代表選手として国際大会にも出場。「グランドスラム・アブダビ」100キロ超級、同「パリ」で優勝するなど”モンゴル柔道界の顔”へと飛躍した。
ツェンゲル選手は天理大学で学んだ後、現在もモンゴル代表選手として活躍。今年2月の「グランドスラム・テルアビブ」で優勝を果たし、来年のパリオリンピック出場に期待が懸かる。
このほか、天理大学柔道部にはモンゴル人留学生のロブサンデンベレル・セルゲレン選手(4年)が所属し、穴井監督の指導を受けている。
スポーツ通じて国際親善に寄与
このたびの勲章は、世界で活躍するモンゴル人柔道家の育成に寄与したことなどが称えられたもの。モンゴルオリンピック委員会副委員長のチョイジガワー・ナランバータル氏から、永尾前学長と穴井監督に「アルタン・オチル勲章」が授与された。
永尾前学長は「天理大学では柔道をはじめスポーツが非常に盛んだ。これは、本学の創設者である中山正善・二代真柱様の、スポーツを通じて陽気ぐらし世界を築いていくという確固たる信念があるからだと思う。このたび、スポーツを通じて国と国とがつながりを持つことができるという、スポーツの素晴らしさを再認識することができた。前学長の立場ではあるが、今後も天理大学とスポーツを通じての国際親善に微力ながら力を尽くしていきたい」と話した。
穴井監督は「ツェンゲル選手は在学中に力をつけ、来年のパリオリンピックに間違いなく出場できる実力ある選手となった。そんな選手に育ってくれたことは、私の指導人生で非常に良い経験になった。この勲章に恥じないよう気持ちを新たにし、指導や国際交流に貢献して、しっかりと精進したい」と語った。