天理時報オンライン

土いじりに想う“命の支え合い”


紙面レイアウト
で見る

汗ばむ陽気に誘われ、猫の額ほどの畑を打ち、夏野菜の苗を植え付けました。農家から見れば“ままごと”ですが、それでも収穫の喜びは格別です。

腰を下ろし、汗を拭いながら「命」の尊さについて想います。野菜の命、牛や鶏の命。命を頂かないと私たちは生きていけません。育てた野菜を収穫して食べるとき、強く実感します。いったい、いくつの命が、私たちの身体のもとになってくれたのでしょう。数え上げればキリがなく、もはや「命の大切さ」を超えて、「命の支え合い」とも思えてきます。

食物連鎖の頂点に人間が君臨している三角形の図を見ることがありますが、それは人間が偉いという意味ではありません。多くの命に支えられないと生きてゆけない存在であり、命に感謝する慎みが大切だという意味でしょう。

土いじりをすれば、外気に触れ、身体を動かすので体調も整います。それは人類が長い間、積み上げてきた尊い体験だからです。さあ腰を上げて、もうひと仕事。

Cha