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人が笑顔になるために“日本一の布団職人” 新貝晃一郎さん – ヒューマンてんり人


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静岡市の小さな港町に、戦前から100年近く続く新貝ふとん店がある。その3代目店主は「現代の名工」に選ばれるなど、受け継いだ匠の技が高く評価されている。

高校卒業後、東京蒲団技術学院を経て実家へ戻り、木綿布団の仕立て修業に。

25歳のとき、天理教の教会長から「皆それぞれに神様からお与えいただいた役目がある。あなたは布団作りを通じて、できることをすればいい」と言葉をかけられ、ハッとしたという。

良い布団を作ることで、睡眠中にその日の疲れが取れ、また明日も笑顔で過ごせる人が増えればと、綿の研究に打ち込み、仕立ての技術に磨きをかけた。

31歳で全国技能グランプリ優勝。これを機に多忙となったが、天然素材である木綿の素晴らしさを多くの人に伝えたいと、熱心に丁寧に仕事に取り組み続け、2019年には「黄綬褒章」を受章した。

「布団を作るのではなく、その向こうにある笑顔をつくる。これが、神様が私にお与えくださった使命だと確信している。生涯かけて自らの役割を全うしたい」