天理柔道会初の女子世界王者に輝く – 天理高校柔道部OG 新添左季選手
天理高校柔道部OGの新添左季選手(26歳・自衛隊所属・土佐分教会ようぼく)は、先ごろカタール・ドーハで行われた「世界柔道選手権大会」女子70キロ級に出場。天理柔道会初となる女子世界王者となった。また、男女混合団体戦の日本代表としても出場し、日本の6連覇にも貢献。大会後の22日には、おぢばへ帰って真柱様にご面会。当日の試合内容などを自らお伝えした。
6歳のとき、2歳上の兄の影響で柔道を始めた。天理中学校から天理高校へ進学。1年時から全国大会に出場した。
大学は女子柔道の強豪・山梨学院大学へ。2年時に出場した「グランドスラム東京」で当時世界ランキング1位の新井千鶴選手を破って初優勝を果たす。翌年「世界柔道団体選手権大会」男女混合団体戦日本代表に選出され、チームの優勝に貢献した。
以後、「グランドスラム」「アジア競技大会」「柔道ワールドマスターズ」などで優勝を重ね、トップ選手として活躍してきた。
昨年10月、世界選手権に初出場し、3位入賞の好成績を収める。新添選手は「3位入賞できてうれしかった。その一方で、海外の選手にかなり研究され、戦うたびにやりづらくなっていた」と振り返る。
半年後に迫る次の世界選手権に向け、組手の強化に重点を置いた。特に「両襟」(両手で相手の襟を握る変則的な組み方)の状態から「内股」や「大内刈」を仕掛けられるよう、地道に練習を重ねた。
五輪で結果を出して恩返しを
迎えた今大会。「万全の状態」で臨んだ新添選手は、2回戦から出場すると、3回戦まで難なく突破。準々決勝は延長戦の末、反則勝ちを収める。
続く準決勝の相手は、世界選手権2連覇中のバルバラ・マティッチ選手(クロアチア)。終盤、「小外刈」で技ありを奪い、勝利した。
優勝を懸けたジョバンナ・スコッチマロ選手(ドイツ)との決勝は、試合中盤に両襟からの「内股」で技あり。そのまま抑え込んで「合わせ技一本」となり、初の女子世界王者に輝いた。
同階級を日本勢が制するのは2018年以来5年ぶり。天理柔道会として、初の女子世界王者が誕生した。
さらに、男女混合団体戦にも出場すると、決勝では代表戦に選ばれ、6分53秒の死闘の末、反則勝ちを収め、日本の6連覇を決めた。
新添選手は「夢にまで見た世界チャンピオンの座に就けてうれしいけれど、まだあまり実感が湧かない」と笑顔を浮かべる。また来年のパリ五輪に向けては、「夢でもある五輪出場に前進できたと思う。日本代表に選ばれたら、結果を出して恩返しをしたい。そのためにも、まだまだ下手な組手を、ひたすら修正していく」と意欲を語った。
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なお新添選手は22日、天理中学校柔道部時代の恩師・古賀正成氏と共に本部玄関で真柱様にご面会。持参した金メダルをご覧いただくとともに、当日の試合内容などをお伝えした。