近所に大量の手作り野菜を配る義父 – 人生相談
Q. 同居している60代の義父が、自家製の野菜を大量に隣近所に配っています。なかには形の悪い野菜もあるので、ご近所の方々が戸惑いを感じて、変な噂が流れていないか心配です。私自身、人付き合いが苦手なこともあり、精神的に負担を感じています。(40代女性)
A. 家族のために長年働いてきたお義父さんが定年退職後に畑を借り、夢だった野菜作りに精を出しているとのこと。健康的で生産的、日に焼けて元気そうな笑顔が浮かびます。収穫の喜び、隣近所に配る喜び――。天然自然のお恵みに感謝し、その喜びを人とも共有しようとする尊い行いだと思います。
そんな楽しそうなお義父さんを、あなたも最初は微笑ましく感じておられたそうですが、次第に野菜の収穫量が増えるにつれ、配る範囲もその量も増えてきて、それがいまはあなたの気がかり、負担になっているのですね。
「ふたつよいことさてないものよ」と、河合隼雄氏の著書『こころの処方箋』にあった言葉を思い出します。全体のバランスに目を向けることが大切です。
「案じは要らん、と、大きな心を持ちて」(おさしづ明治21年6月)と教えられます。噂をされていないかと気にするのではなく、お礼を言われたら、あなたも「もらってくださってありがとうございます」とお礼を返せばいいし、もし苦情を言われたら、あなたが代わりに謝ってあげてください。それは「人付き合いが苦手」なあなたの勉強にもなると思います。
あなたは以前と同じく大きな心で、お義父さんを微笑ましく見守っていてください。
回答者:西村 和久(一筋分教会長・「憩の家」事情部講師)