身上から成人の一歩を踏み出し – 修養科の四季
第962期 岸亜佳音さん 26歳・千葉県松戸市・南粋分教会所属
親神様を信じるようになったのは、小学4年生のときの身上をたすけられたことがきっかけでした。盲腸が破裂し、少しでも手術のタイミングが遅れれば命はなかったそうです。以後、所属教会に参拝したり、自宅で朝夕のおつとめを勤めたりするなど、家族ぐるみで信仰を深めるようになりました。
大学卒業後は銀行に入行し、充実した日々を過ごしていました。しかし、昨年「不安神経症」を発症。日常生活でも目まいや動悸がするようになり、生活に支障を来すほどに症状が悪化していきました。
途方に暮れていたとき、教会長の奥さまが修養科への志願を勧めてくださったのです。この声かけに親神様の思召を感じ、退職とともに修養科の志願を決意しました。
機を逃さずおたすけを
修養科を志願するに当たり、「教理をあらためて学び、にをいがけの一歩を踏み出そう」と心定めをしました。幼いころ、教会の方や両親が、にをいがけに励む姿を傍で見てきた経験から、私も信仰的に一歩成人したいと思ったのです。
ところが1カ月目は、慣れないことの連続で、慌ただしい毎日を過ごしました。そんな中でも、朝夕のおつとめで本部神殿へ足を運ぶたびに、朝日に照らされる神殿や夕日に染まる神苑の美しい景色に、いつも心の安らぎを感じていました。
あるとき、ふと思いつき、おぢばの景色を写真に収めて未信仰の友人たちにLINEで送ってみることにしました。すると皆、とても喜んでくれました。これまでは拒否されるかもしれないという不安から、天理教を信仰していることを隠してきましたが、親里の写真をきっかけに、自分の信仰や修養生活などを伝えることができたのです。
親友のAさんも、写真を送ったうちの一人。Aさんは、私と同じ体の不調を抱えていたこともあって、修養中も気にかけてくれました。
そんななか、ある日、教養掛の先生が「おたすけを必要としている人が周りに現れるということは、神様から信頼されている証し。機を逃さないように」と話してくださいました。
この言葉が胸に迫り、早速、Aさんに連絡してみると、Aさんの体調はさらに悪化して会社に出社できていないとのこと。そこで、私は勇気を出して「かしもの・かりもの」の教えを簡単に説明したうえで、自らの体験を交えながら、何げない日常がどれほど有り難いことかを話しました。
すると彼女は「このタイミングで話を聞けて良かった。いつか天理に連れていってね」と言ってくれたのです。苦しむAさんに少しでも役に立てたことがうれしく、親神様のお導きを身に染みて感じました。
その後も、これまで以上にAさんに寄り添うことを意識するうちに、私自身の症状もピタリと止まり、安定剤を服用しなくても過ごせるという、不思議なご守護をお見せいただきました。
◇
修了後、すぐにAさんを訪ね、おさづけを取り次がせていただきました。現在、Aさんの体調は回復し、元気に働いています。
私自身は、医療従事者の転職をサポートする会社に就職しました。今後も、親神様にお導きいただいた尊い経験を、多くの人たちに伝えていきたいと思います。