身上たすけられ いま、人だすけに – 修養科の四季
2023・7/19号を見る
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第979期 笠井祐輔さん
34歳・埼玉県川口市・瑞玉分教会所属
昨年7月、「甲状腺がん」の宣告を受けた。当時、未信仰だった私は、心から信じられる存在がないことに気づくとともに、強い不安と孤独感に襲われた。
そのとき、実家の近所にある天理教の教会が、ふと心に浮かんだ。会長さんの長男とは小学校からの友人で、彼に会いに行くたびに、教会の皆さんに元気をもらっていたことを思い出したのだ。
翌日、藁にもすがる思いで教会へ足を運び、会長さんに事情を説明したうえで「入信したい」と申し出た。教会の人たちは温かく迎え入れてくださり、その場で「心を変えずに通ること」「来年1月から修養科を志願すること」を会長さんに約束した。
以後、教会に伏せ込みながら通院を続け、甲状腺を摘出する手術を受けた。体調が回復してからは、身上をたすけていただいた話をもとに、「にをいがけチラシ」を独自に作成して日々配り歩いた。
修養科を志願する前の術後の検査では問題なし。不思議なご守護を頂いた喜びを胸に、「教理をしっかり深めよう」と、おぢばへ向かった。
運命的なものを感じ
初日、クラス担任のあいさつに心震える思いがした。先生は私と同じく、がんの身上をご守護いただかれたが、再発の可能性があるという。「ようぼくの方は進んでおさづけを取り次いでください。そして、よければ私にも取り次いでください」とおっしゃったことに運命的なものを感じ、先生と一緒に最後まで修養科を通りきり、おさづけの理を拝戴して最初に取り次がせていただこうと思った。
修養生活が本格的にスタートすると、大勢の仲間たちが代わる代わるおさづけを取り次いでくれた。1月の厳しい寒さで、のどを切開したあとの傷が痛み、つらい思いをすることもあった。そんなときも、仲間がおさづけを取り次いでくれたおかげで、感謝の思いを忘れず、毎日を楽しく過ごすことができた。
また、修養科中の心定めとして、修養科から詰所へ戻る際に天理駅前での路傍講演を続けた。身上をご守護いただいた体験を語ると、不思議と大きな声が出る。そのことに驚きながら、いつも「親神様がそばで見守ってくださっている」と実感した。
こうして3カ月目に入り、無事にようぼくの仲間入りを果たすことができた。その直後、教祖殿へ向かい、担任の先生に念願のおさづけを取り次がせていただいた。取り次ぎを終えた後、先生は「本当にありがとう」と目に涙を浮かべて喜んでくださった。その姿を見て、おさづけの尊さと“たすけ心”を持つことの大切さが心に染みた。
修養生活を通じて、誠真実の心を尽くして相手のたすかりを願えば、親神様・教祖がその心を受け取って自由のお働きをお見せくださることを肌身で知ることができた。ようぼくとなった新たな門出に、“たすけ心”をもって難渋を抱える人に寄り添っていこうと誓った。
◇
修了後の血液検査の結果、私も担任の先生も「異常なし」と診断された。さらに私は、薬の処方を必要としない鮮やかなご守護を頂いた。後日、新潟県にある先生の教会に伺い、回復を喜び合った。
現在、所属教会に住み込み、神様の御用をつとめながら、大教会や教区の行事に参加している。これからも、ようぼくとして教理を一層深め、私がたすけていただいた話を、世の悩み苦しむ人たちに伝えていきたい。