豪雨被災地で初動の救援に – 災救隊山口教区隊
2023・7/19号を見る
【AI音声対象記事】
スタンダードプランで視聴できます。
山口県の北部・中部・西部では6月30日、「線状降水帯」の発生に伴う局地的な豪雨となり、美祢市と山陽小野田市を流れる厚狭川が氾濫。両市と山口市を中心に農地や家屋が浸水被害に見舞われた。
災害救援ひのきしん隊(=災救隊、橋本武長本部長)の山口教区隊(山瀬文男隊長)は2日、美祢市社会福祉協議会(=社協)の職員と共に現場へ赴いて被害状況を確認。この後、同市社協の要請を受け、美祢市麦川地区への出動を決めた。
山口教区隊は4日、敷地面積の広さから一般ボランティアの対応が難しいと判断された麦川保育園で初動の救援活動に当たった。隊員たちは、泥まみれになった園庭のプランターや人工芝を撤去。駐車場など敷地内の泥を手作業で取り除いたうえで、高圧洗浄機を使用して丁寧に洗い流した。
また、同園に隣接する寺社の境内地に流入した汚泥も搬出した。
さらに7日には、下関市社協の要請を受け、同市豊田町大字手洗地区へ。朝から小雨が降り続くなか、汚泥が流入した被災家屋で、安全面に考慮しながら裏庭と玄関の土砂を黙々と撤去したほか、家屋の汚れを高圧洗浄機で洗い流した。
この家に住む50代男性は「悪天候にもかかわらず、まさか1日できれいにしてもらえるとは思いもしなかった」と感謝の言葉を述べた。
翌8日は、同地区と殿敷地区の被災家屋で救援活動に従事。手洗地区の被災家屋では、農業用重機を収めた倉庫内の泥出しと清掃に当たった。
一方、殿敷地区の被災家屋では、汚泥にまみれた“災害ごみ”の搬出に尽力。午後からは大雨のため作業を中断したが、天候が回復した11日に、あらためて残りのごみ出しを行った。
山瀬隊長(50歳・山陽大教会長)は「出動に際しては、被災者の心に寄り添いながら、ひのきしんの精神を忘れずに活動することを申し合わせている。いまだ豪雨被害は予断を許さない状況だが、引き続き、各市社協と連携して活動していく」と話した。
同教区隊として、4日間で延べ74人が出動した。
◇
なお、熊本県では3日まで降り続いた大雨により、益城町を中心に水害が発生。災救隊熊本教区隊(川崎一保隊長)は8日から10日にかけて、同町内の被災家屋などへ出動している。
(天理時報7月26日号以降に詳報予定)