道の文字通訳者をオンラインで養成 – 社会福祉課
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布教部社会福祉課(村田幸喜課長)は16日、「『道の文字通訳 遠隔修正者』養成講習会」を初めて開催、7人が受講した。
国内の聴覚障害者が約40万人に上るなか、耳の不自由な人たちへ情報を伝える手段として、音声認識アプリによる「文字通訳」がさまざまな場面で導入されている。
これは、講演などにおける話し手の言葉を、その場で文字変換するもの。認識の際に生じる誤変換は、パソコンなどを使って即時に修正できる。
この講習会は、講演会場から離れた場所で、誤変換を修正する方法についてオンラインで学ぶもの。
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当日は、講師が文字通訳の現状などを説明した後、地域で当事者相談等を務める山村信平さん(62歳・袖山分教会長・金沢市)が体験談を発表した。
感音性難聴の山村さんは、難聴・中途失聴者への支援が行き届いていない現状にふれ、難渋を抱える人のための「情報保障」が必要と指摘。そのうえで「耳が聞こえないことで、人と人は切り離されてしまう。道の文字通訳が、切り離された人同士をつなぐ“おたすけ”につながれば」と期待を語った。
この後、講師が聴覚障害の種類や特性、当事者への接し方について講義。続いて、実演を交えながら、音声認識アプリの使い方や、パソコンやスマートフォンで誤変換を遠隔修正する方法などを解説した。
受講者の一人、木富美穂さん(47歳・城吉分教会ようぼく・奈良県大淀町)は、昨年から要約筆記の勉強を始めたほか、同課主催の「手話通訳ひのきしん者養成講習会」も受講している。
木富さんは「耳の聞こえづらい人にとって日本語は同音異義語が多く、認識しにくい言語だと教わり、文字通訳の必要性をあらためて理解した。きょう学んだことを、一日も早くおたすけに生かしたい」と語った。