天理勢 講道館杯3階級制覇
2023・12/6号を見る
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天理高校・天理大学柔道部OBの植岡虎太郎選手(23歳・千代松原分教会ようぼく・日本製鉄所属=写真左)と中野寛太選手(23歳・飛鳥分教会ようぼく・旭化成所属=同右)、天理大柔道部OBの樋口裕大選手(26歳・大阪府警察所属)は、11月4、5の両日に千葉市の千葉ポートアリーナで行われた「講道館杯全日本柔道体重別選手権大会」に出場。植岡選手が男子100キロ級で2連覇を果たし、中野選手が男子100キロ超級で、樋口選手が男子60キロ級で、それぞれ初優勝に輝いた。(11月29日記)
大会連覇を達成 – 天理高校・天理大学OB 植岡虎太郎選手
植岡虎太郎選手は男子100キロ級に出場し、連覇を達成した。
天理高時代、中野選手と共に「全国高校総合体育大会」団体で27年ぶりの優勝旗を手にした。天理大在学中は、昨年の講道館杯で東京五輪柔道100キロ級金メダリストのウルフ・アロン選手を破り、初優勝した。
今年度から日本製鉄に所属。「大学時代と違い、自分でメニューを考え、自ら追い込んでいくことで、メンタル面も強くなった」と話す。また、練習場所を東京へ移したことで、「強いチームがたくさんあり、さまざまなタイプのレベルの高い選手と組む機会が増えた」という。
連覇の懸かる講道館杯。トーナメント表が発表されてからは、対戦相手との組手を意識しながら、受ける際の動きや、足技などを重点的に練習してきた。
迎えた大会当日。植岡選手は順調に勝ちを重ね、決勝へ駒を進める。
決勝は延長戦にもつれ込み、10分を超える死闘となるなか、植岡選手が「背負投」で「一本」。大会連覇を成し遂げた。
植岡選手は「社会人になってやってきたことが、間違いではなかったと証明できて良かった。グランドスラムでは昨年3位だったので、次の大会こそ優勝して、その先につなげたい」と話している。
なお植岡選手は、12月2日から東京体育館で開催される「グランドスラム東京」に出場する。
最重量級で初優勝 – 天理高校・天理大学OB 中野寛太選手
中野寛太選手は男子100キロ超級に出場。初優勝を果たした。
天理中学、天理高、天理大の各柔道部で主将を務めた。昨年の「全日本学生柔道体重別団体優勝大会」では、天理大を同大会初優勝の快挙へと導いた。
大学卒業後、旭化成へ所属してからも天理に練習拠点を置き、天理大柔道部で研鑽を積んでいる。その中で「柔道が部活動から生活そのものへと変わったこともあり、食事や睡眠は、これまで以上に意識するようになった」と心境の変化を語る。
講道館杯に向けては、対戦相手を想定し、「ケンカ四つ」(引き手が逆になる組み方)での乱取りを重ねてきた。
大会当日、中野選手は2回戦から出場すると、リオデジャネイロ五輪柔道100キロ超級銀メダリスト、原沢久喜選手との対戦を含む4試合を、オール一本勝ちでファイナルへ。
決勝では、同じく旭化成所属の太田彪雅選手を相手に、積極的に技を仕掛けていく。延長戦に突入しても攻撃の手を緩めず、最後は太田選手に三つ目の「指導」が与えられ、反則勝ち。初めて優勝杯を手にした。
中野選手は「かねて目指してきた大会で優勝できてうれしい。一方で、この大会は通過点でもあり、これからの取り組み方が大事だと感じている。この後に控える大会に向け、しっかりと準備していく」と話した。
同門対決制し初V – 天理大OB 樋口裕大選手
樋口裕大選手は男子60㌔級に出場し、初優勝した。
天理大在学時、「全日本学生柔道体重別選手権大会」で優勝した樋口選手。卒業後は大阪府警に所属し、昨年と今年の「全国警察柔道選手権大会」を連覇している。
今大会では、決勝で天理大柔道部の足立悠晟選手(1年)と対戦し、「一本背負投」で一本勝ち。同門対決を制し、初優勝に輝いた。