全日本学生柔道トーナメント初V – 天理大柔道部男子 佐藤輝斗選手
天理大学柔道部男子の佐藤輝斗選手(3年)は3月23、24の両日、天理大武道館柔道場で行われた「全日本学生柔道WinterChallenge Tournament」に出場。男子81キロ級で初優勝を手にした。
柔道を始めたのは、5歳のころ。友人や親の勧めで、オリンピック柔道3連覇をなし遂げた野村忠宏さんが育った「豊徳館野村柔道場」(奈良県広陵町)に通った。
得意技は「小内刈」と「大外刈」。中学時代に「全国中学校柔道大会」を経験し、天理高校へ進んでからは、「足技だけでは勝ち上がれない」と投げ技の習得に励んだ。「大外刈」などに磨きをかけると、2年連続でインターハイ出場を果たした。
その後、「これまで全国優勝は一度もなかった。だからこそ、もう一度頑張りたい」と天理大へ進学。自身が得意とする柔道は「相四つ」(お互いの引き手が同じ側)で、しっかりと組み合い、足技・投げ技を仕掛けていく形。一方で、引き手が逆になる「ケンカ四つ」を苦手としていたため、ケンカ四つで組み合う左組みの選手と乱取りを重ねて弱点の克服に努め、「高校のころよりも、積極的に技を仕掛けられるようになってきた」と自身の成長を分析する。
昨年末、「全日本ジュニア柔道体重別選手権大会」に出場したものの初戦敗退。一層練習に力を入れ、スタミナの強化はもとより、試合展開に応じた戦い方を研究し、次の大会に備えてきた。
初挑戦となる今大会。初戦を「大外刈」で一本勝ちすると、2回戦は全日本ジュニアで敗れた相手との再戦となった。
「負けられないという強い思いと同時に、少しの緊張感があった」という佐藤選手。試合は延長戦にもつれ込んだが、得意の「相四つ」に持ち込んだ佐藤選手が「小内刈」で一本勝ちを収めた。
勢いに乗る佐藤選手は、その後も投げ技を駆使して決勝まで勝ち上がる。決勝戦の相手は、同じ天理大の先輩である山村陸斗選手(4年)。互いに手の内を知る相手とあって、技が決まらない時間が続く。序盤に互いに指導を受けて1‐1となると、佐藤選手が「気持ちで負けないように」と積極的に前に出て技を仕掛け続けた。結果、1‐3で指導勝ちとなり、初優勝を果たした。
佐藤選手は「天理大学での試合ということもあり、気持ちの面でも思い通りの戦い方ができた。この結果に満足せず、次の『関西学生柔道体重別選手権大会』にも勝って、全国大会に出場し、優勝を目指したい」と話している。
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このほか、松川龍二選手(4年)が66キロ級で準優勝、山村選手が81キロ級で準優勝、池田凱翔選手(3年)が90キロ級で準優勝、濱中大地選手(同)が100キロ級で3位入賞、山口隆乃選手(同)が100キロ超級で3位入賞した。