お互いへのリスペクトが「陽気ぐらし」につながる プロダンスチーム「DYM MESSENGERS」岡庭正人さん – ようぼく百花
2024・4/3号を見る
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3年前に日本で発足した世界初のプロダンスリーグ「D.LEAGUE」。今シーズン、13チームが世界一を目指してしのぎを削るリーグの中で、岡庭正人さん(31歳・東世分教会ようぼく・東京都世田谷区)は、実力派チーム「DYM MESSENGERS」の一員として、多彩な技で観客を魅了している。
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「こんなに面白い動きがあるのか――」
きっかけは、小学5年生のときに見た、少年ストリートダンスを題材にしたテレビ番組だった。その表現力の豊かさに魅せられてダンスを始め、アクロバティックな動きが特徴の「ブレイクダンス」に打ち込んだ。
高校ではダンス部に所属。卒業後も練習に打ち込み、国内のダンス大会の常連に。2016年にチェコで開かれた「Street.Dance.Kemp.Europe」では、日本代表チームの一員として出場、準優勝に輝いた。
ダンサーとして活躍する一方で、指導者としての手腕も発揮する。現在、都内のダンス教室で幅広い年代の生徒を指導しているほか、自身が生まれ育った所属教会でも「キッズダンス教室」を月に一度開催している。2018年には、コーチを務めるチームが、日本最大級の小学生限定ストリートダンスコンテスト「LiL’ WiLD」で優勝した。
指導に当たる中で、幼少から両親に仕込まれた「人救けたら我が身救かる」の教えを、折にふれて伝えているという。
「思いやりの心をもって行動することは、自身の成長にもつながる。個性を生かしつつも、メンバーとの調和が大切なダンスの世界は、陽気ぐらしの教えに通じるものがある」と語る。
一人でも多く幸せを
今夏開幕するパリ五輪の種目に、ブレイクダンスで勝敗を競う「ブレイキン」が新たに加わった。その影響もあり、ストリートダンスへの注目がにわかに高まっている。
岡庭さんが演技の際に最も意識しているのは「流れている音楽の魅力を伝えること」。これまで、曲に一番ふさわしい踊りを模索し、音楽とダンスが調和した作品を作り続けてきた。その表現力と発想力は、チームメンバーからも高い評価を受けている。
岡庭さんの所属チームは、リーグ初参戦ながら、現在13チーム中7位。上位6チームによる「チャンピオンシップ」出場への期待が懸かる。
今後も貪欲に勝利への努力を重ねつつ、ダンスの持つ魅力を表現していきたいと語る岡庭さん。「ストリートダンスの世界には、技術の巧拙を問わず、互いをリスペクトし合う文化がある。国境や性別、年齢を超えて相手とつながり、心が通じ合えるのがダンスの魅力の一つ。今後もパフォーマンスを通じて、一人でも多くの人に幸せを感じてもらえるよう努めたい」
下の画像から、岡庭さんが所属する「DYM MESSENGERS」の試合動画がYouTubeで視聴できる。