大いなる何かに導かれている – 視点
2024・5/8号を見る
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「雨が空から地面に向かって降る」ということは、親神様が、何も無いこの世に地と天とを形作り、水気上げ下げの守護をなされているという天理の教えを知らなくとも、誰にでも分かる。同様に、神名は知らずとも、特殊な経験から親神様の親心を垣間見る者がいたとしても不思議ではない。
先日、かねて話題の本の内容にそう思った。著者は、田坂広志氏という東京大学出身の原子力が専門の工学博士で、経営学者でもある。信仰とはおよそ無縁の科学の道を歩んできた氏は、30代で医師に匙を投げられる病を経験して天の摂理に気づき、それを実行することによって、今日の命があり成功があるという。
タイトルは『すべては導かれている』(PHP文庫)といい、逆境を越え、人生を拓く、次の五つの覚悟について記している。第一の覚悟は「自分の人生は、大いなる何かに導かれている」。第二は「人生で起こること、すべて、深い意味がある」。第三は「人生における問題、すべて、自分に原因がある」。第四は「大いなる何かが、自分を育てようとしている」。第五は「逆境を越える叡智は、すべて、与えられる」。そして、これらの覚悟をしっかりと心に定めた瞬間、想像を超える「不思議」が訪れるというのである。
氏いわく「自分は、大いなる何かに導かれており、人生で起こること、すべて、深い意味がある。今出会った逆境は、大いなる何かが、この逆境を与えることによって、自分を育てようとしている。そして、自分を育てることによって、多くの人々の幸せのために、素晴らしい何かを成し遂げさせようとしている」と。
本教との接点は不明だが、松下幸之助氏や稲盛和夫氏などとは異なる意味で御教えに酷似した考え方である。
思うに、このような本が話題になるのは、人智を超えた真実を世の中が求めていると考えていいのではないか。私たちにとって「大いなる何か」は親神様であり、その御教えにもっと自信を持ち、胸を張って、要は、本書のように世の人々の要望に応えられるように発信をしなければならないということではないか。
(橋本)