精神疾患への理解深め – ひのきしんスクール
「ひのきしんスクール」(村田幸喜運営委員長)は6月26日午後から27日にかけて、講座「精神の疾患と障害――統合失調症、うつ病、躁うつ病を中心に」をおやさとやかた南右第2棟で開催、39人が受講した。
同講座は、代表的な精神疾患である統合失調症やうつ病、躁うつ病などに関する基礎知識を学び、当事者への接し方や援助について理解を深めようというもの。
初日は、精神科医の永田貴子氏(酒井田分教会ようぼく)が「精神の疾患と障害――診断と治療」をテーマにオンラインで講義。主な精神疾患の特徴を踏まえたうえで、コロナ下におけるメンタルヘルスの重要性やセルフケアのコツについて解説した。
不調のサインに気づく
永田氏はまず、主な精神疾患として統合失調症、うつ病、躁うつ病、発達障害、適応障害、パニック障害の六つを挙げ、それぞれの症状を説明したうえで、患者への対応と治療法について説明した。
続いて、コロナ禍がもたらす心身への影響について話を進めた。
その中で、ここ数年来の女性と若者の自殺率の増加に言及。その背景には雇用喪失による収入減、オンライン化による所属意識や仲間意識の希薄化、家庭内暴力など、さまざまな要因があることを指摘した。
この後、精神疾患の疑いがある身近な人への対応の仕方を紹介。「表情が乏しい」「声が小さい」「短期間に痩せる、太る」などの不調のサインに気づいたときは、相手のことを心配している旨を伝え、いま何を感じているかを尋ねたうえで、場合によっては薬や危険物を対象者から遠ざけ、安全な場所を確保することが必要になると語った。
最後に、栄養バランスの取れた食事や有酸素運動、十分な睡眠などのセルフケアの方法を紹介し、日ごろから心身のケアに努めることが大切と述べた。
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この後、天理よろづ相談所病院「憩の家」公認心理師で臨床心理士の保坂信広氏(上田松尾分教会教人)が「基本的な接し方、関わり方――臨床心理学的視点から」と題して講義した。
二日目は、笹倉雅浩氏(兵庫中央分教会長)と「憩の家」公認心理師で臨床心理士の宇田まゆみ氏(敷土分教会教人)が、それぞれ体験談と事例を発表。続いて、笹倉氏と宇田氏による質疑応答が行われた。