「全日本空手道体重別」組手初代王者に – 天理大空手道部 橋本大夢選手
天理大学空手道部の橋本大夢選手(4年)は6月11、12の両日、群馬県高崎市の高崎アリーナで開催された第1回「全日本空手道体重別選手権大会」に出場、男子個人組手競技60キロ級で優勝に輝いた。
父が会長・師範を務める道場で3歳から空手を始めた。空手の強豪・兵庫工業高校へ進むと、3年時の県大会個人組手競技で3位入賞の成績を収めた。
卒業後はスポーツ指導者を志して天理大へ。1年時の「国民体育大会」個人組手競技で5位に入ると、3年時の「近畿地区空手道選手権大会」では3位入賞を果たす。
今年3月、全日本空手道連盟主催の「2022年シニア強化選手選考会」に出場。全国トップレベルの選手が集まったトーナメント戦を勝ち進み、準優勝。この結果を受け、ナショナルチームの一員に選出された。
橋本選手は、相手に反撃の隙を与えない連続技で素早い「刻み突き」を差し込む攻撃型の戦法を得意とする。一方で、守りに入るとペースを崩してしまうため、練習では組手を繰り返して攻めの姿勢を保つことを意識してきた。
国内初となる体重別選手権は、東京2020オリンピックのレガシー大会として新設されたもの。各地区協議会の代表や実業団、全空連推薦選手に加え、五輪代表の4選手が出場。組手競技は、男子・女子ともに5階級に分かれ、東京五輪の試合方式が採用された。
「勝ちにこだわらず、空手を楽しむことを優先し、自分のペースを最後まで貫こう」と大会に臨んだ橋本選手。グループリーグでは、得意の連続技で対戦相手を圧倒していく。なかでも、東京五輪日本代表の佐合尚人選手との対戦では、2‐2の引き分けに持ち込み、先取勝ち(試合で先にポイントを取った選手が勝利)で大金星を挙げた。
5戦全勝でグループリーグを勝ち抜くと、トーナメント準決勝では、3月の強化選手選考会で敗れた相手に5‐3で勝利し、決勝戦へ駒を進めた。
決勝では、開始直後から得意技の「刻み突き」で立て続けに4ポイントを奪ったが、反撃を受けて同点に追いつかれる。その後、最後まで積極的に技を繰り出し続けて試合終了。4‐4の先取勝ちで橋本選手が勝利し、初代王者に輝いた。
橋本選手は「全国大会で結果を残せて素直にうれしい。両親や監督、チームメートなど、たくさんの方々の支えに感謝したい。これからも、空手だけでなく人間として成長していけるよう精進していきたい」と話した。
なお橋本選手は、11月に開催される「全日本大学空手道選手権大会」に出場する予定。