もう一つの山の辺の道 – 山の辺の道 心の景
山の辺の道の一部に別ルートがあると聞いて歩いてみた。区間は大神神社から景行天皇陵まで。通常、檜原神社を経由するカーブの多い山際の道を行くが、この日は、景行天皇陵まで田園地帯を真っすぐ進む。
大神神社を出発。まず茅原の集落を抜ける。道は平坦で起伏はない。茅原大墓古墳を過ぎ、ホケノ山古墳を左に見ながらしばらく行くと、前方に田園風景が広がった。奥には龍王山、湧き立つ霧が幻想的だ。
通りかかった年配の男性に別ルートのことを尋ねてみた。「そうでんな。この辺りの人は、こっちも山の辺の道やと思てます」。なるほど、一つに限定しないところが大らかで、この土地らしいともいえる。
「あれが箸墓。あっちは……」。男性は話し好きらしく、すっかり打ち解けたころ、こう切りだした。「わし、昔、古墳の上に家がありましてん。いろんなものが出てきましたで」。やっぱり大和は大らかだ。
(J)
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