天理時報オンライン

人は自分の“心の姿”を映す鏡 自分が変われば相手も変わる


同じ勤め先に、顔を合わせても全くあいさつをしない青年がいました。「近ごろの若者は……」という目で見ていましたが、ある日、ふと思いました。年上も年下もない、こちらからあいさつすればいいのだと。

翌朝、顔を見るなり「おはよう」と声をかけると、意外にもその青年は、実にいい笑顔で「おはようございます!」と返してくれたのです。決して無愛想なわけではなく、少しシャイなだけだったようです。これを機に、よく話もするようになりました。

私たちは、職場や地域社会で接する人に対して、もっとこうしてほしい、ああすればいいのに、などと思うことがよくあります。しかし、人を変えることは容易ではありません。

人の良くないところが目についたとき、それは自分の“心の姿”が鏡に映っているのだと考えてはどうでしょう。鏡に映った汚れは、いくら鏡を拭いてもきれいにはなりません。自分が変われば相手も変わる。このことに、あらためて気づかされた出来事でした。