天理時報オンライン

陽気ぐらしのキーワードの一つ「慎み」とは? – 身近で聞いた素朴な問いにWAKUさんがお答えします


紙面レイアウト
2022・7月号を見る
イラスト/なんばなつこ

「教会の壁に『感謝、慎み、たすけあい』と書いた横断幕が掲げられていますね。『陽気ぐらしのキーワード』とのことですが、『慎み』というのがよく分かりません。具体的に、どうすることなのですか?」と、ある青年に尋ねられました。

一般に「慎む」という言葉には、慎重に事をなす、控えめに振る舞う、といった意味があります。天理教では、身も心も慎むことが大切だと教えられ、慎みとは、気を静めて、わがままな心を出さないようにすること、という意味でも使われています。

これは「八つのほこり」の教えにも関連して、「ほしい」や「よく」といった、自己中心で身勝手な心づかいに気をつけることでもあると思います。

謹慎という言葉もありますから、「見ざる聞かざる言わざる」のようなイメージを持つかもしれませんね。そうやって悪いことを遠ざけるのは、いいことではありますが、わが身に難が降りかからないように、見て見ぬふりをする、何も思わず何もしないというのでは、陽気ぐらしのキーワードとはなり得ません。

また、「慎む」が「包む」と同じ語源であることから連想して、種を蒔けば土を被せるように、善いことをしても、ことさら知られないようにすることなども、慎みとなるように思います。

ご神言に「石の上に種を置けば、風で飛んでしまったり、鳥が食べてしまったりする。真実の心で蒔いた種は埋もれているので、たとえ鍬で掘り返されたとしても、そこで生えずとも別の場所で必ず生える」という意味のお言葉があります。

いたずらに主張したり要求したりしなくても、神様はすべてご存じで、私たちの真実に相応しいご守護を間違いなく下さいます。そのことを信じて、どんなときも心穏やかに過ごしたいものです。


西村和久(天理教一筋分教会長)


【天理時報特別号2022年7月号】の記事が他にもあります。