U18女子ラグビーセブンズ日本代表 世界一獲得に貢献 – 話題
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教会長後継者がチームコーチとして、ようぼく子弟が選手としてそれぞれ選ばれた、U18女子ラグビーセブンズ日本代表が2024年12月、ニュージーランドで行われた「Global Youth Sevens 2024」に出場し、2年ぶり2回目の優勝に輝いた。同大会は、18歳以下の女子7人制ラグビーにおける唯一の世界大会。チームの世界一獲得に貢献した2人を紹介する。
天理ラグビーの精神伝え
大阪の野々村成朗さん
東大阪市の野々村成朗さん(43歳・玉造分教会長後継者=写真左)は、同大会にU18日本代表のコーチとして帯同した。
小学3年生からラグビーを始めた野々村さん。天理中学校、天理高校、近畿大学を経て、ラグビートップリーグの福岡サニックスブルース(当時)へ。ユーティリティーバックスとして4年間プレーした。
現役引退後は、天理高ラグビー部員の寮である「勾田寮」の幹事を5年間勤めた。その後、自教会に戻り、教会の御用に勤しむなか、母校の近畿大から声がかかり、2014年に同大ラグビー部のバックスコーチに就任。御用の傍ら、大学生の指導に当たった。
コーチとして、「天理ラグビーの精神を伝えている」という野々村さん。「勝ち負けだけでなく、借りものである体を大切に、試合ができることへの有り難さや、サポートしてくださる人たちへの感謝を忘れないよう促している」と話す。
19年、日本ラグビー協会の推薦を受けて、将来の日本代表の育成・強化を目的に開かれている女子セブンズユースアカデミーのコーチに就任。24年8月から女子セブンズ日本代表コーチを任されるなど、女子ラグビーの発展に力を尽くしてきた。
今大会、チームはトーナメントを勝ち上がり、7戦全勝で2年ぶり2回目の優勝を飾った。
この快挙を受けて、野々村さんは「選手同士でコミュニケーションをしっかりと取り、主体性を持って大会に臨んでくれた。強豪チームとの対戦に不安もあっただろうが、自分たちの強みを発揮して勝ちきってくれた」と、選手らの奮闘をたたえた。
今年1月、ユースアカデミーのヘッドコーチに就任した野々村さん。「ラグビーを通じて学んだ多くのことを選手に伝えていきたい。それだけでなく、関わる人にお道のにをいを感じてもらえるような言動を心がけ、一ようぼくとして与えられたつとめを全うしたい」と語った。
全7試合に出場
三重の河内陽愛さん
四日市市の河内陽愛さん(四日市メリノール学院高校2年・西大教会ようぼく繁和さんの長女=同右)は、U18女子ラグビーセブンズ日本代表として同大会に出場し、チームの世界一に貢献した。
小学4年生のときに観戦した天理大学ラグビー部の試合に影響を受け、地元・大阪でラグビーを始めた。
中学校では大阪府ラグビーフットボール協会に登録されている「浪花闘球娘」と「興國パフォーマンスアカデミーラグビークラブ」の二つのクラブを掛け持ちし、実力をつけていった。
主にセンターとしてプレーし、相手のタックルをかわすステップを得意とする河内さん。中学卒業後は「強いチームでラグビーがしたい」と、親元を離れて女子ラグビーの名門校・四日市メリノール学院高へ進んだ。また、双子の兄である陽汰さんもラグビー選手として活躍。現在は天理高ラグビー部に所属し、兄妹で切磋琢磨している。
高校では1年の春からレギュラーとして活躍し、現在はキャプテンを任されている河内さん。女子セブンズユースアカデミーには、中学3年の冬から招集を受け、同世代のトップ選手としのぎを削ってきた。
このたびの大会遠征について、「昨年はメンバー入りできず悔しい思いをしたので、今回は名前が載っていて、とてもうれしかった。『とにかく全力でやるしかない』と気合が入った」と振り返る。
大会では、スクラムハーフとして全7試合に出場。準決勝のニュージーランド戦では、自身が前へ運んだボールがきっかけでトライが決まるなど、チームの優勝に貢献した。
河内さんは「初めての海外で、さまざまな国の選手と交流できたのが楽しかった。キャプテンとしてチームをまとめ、4月末の『サニックスワールドラグビーユース交流大会2025』に出場し、優勝できるよう頑張りたい」と話している。