ライバル制し4年ぶり“花園”へ – 天理高ラグビー部
純白のジャージー軍団が待望の“花園”へ――。
天理高校ラグビー部は11月20日、橿原市の橿原公苑陸上競技場で行われた「全国高校ラグビーフットボール大会」奈良県大会決勝に進出。過去3大会、優勝を阻んだライバル・御所実業高校に勝利し、4年ぶり64回目の全国大会出場を決めた。
今年4月、日本ラグビーの最高峰「ジャパンラグビーリーグワン」のNTTドコモレッドハリケーンズでプレーした王子拓也教諭(27歳・同部OB)をコーチに迎え、新体制で始動した同部。太安善明キャプテン(3年)を中心に、王子コーチの助言を取り入れながら、日々の練習メニューやトレーニング計画を自主的に策定するなどして、試合中の状況判断や修正力の向上を図ってきた。
堅守からリズムつかむ
迎えた今大会。天理高は合同チームとの初戦を100点ゲームで難なく突破。28年連続で同じ顔合わせとなる御所実業高との決勝戦に臨んだ。
試合は前半15分、御所実業高に自陣ゴール前でディフェンスの隙間を突破され、先制トライを許してしまう。
その直後、太安キャプテンは「気持ちをリセットして落ち着いていこう」とメンバーに声をかけ、コミュニケーションを取りながらディフェンスの修正を図った。
7点を追う前半終了間際、天理高はハーフウエーライン付近での相手の反則によりペナルティーキックを選択。キッカーの須田厳太選手(同)が約45メートルの長距離キックを成功させて3点を返し、3‐7で前半を終えた。
堅いディフェンスから攻撃のリズムをつかんだ天理高は、後半9分、ゴール前のラインアウトからモールを押し込むトライで逆転。勢いに乗った天理高は、フォワードを軸とするコンタクトプレーで相手チームを圧倒していく。
16分には、川越功喜選手(同)が点差をつけるトライを決めた。その後もセットプレーで優位に立つ天理高は、堅守でリードを守りきり、そのままノーサイド。15‐7のスコアで、4年ぶりに“夢舞台”への出場切符を手にした。
松隈孝照監督(50歳)は「準備していたフォワード陣のプレーが機能したこと、落ち着いた状況判断と中盤の我慢強さを発揮できたことが、良い結果につながった」と試合を振り返った。
太安キャプテンは「花園でも焦らず、ひたむきなプレーで、一戦一戦勝ち進んでいきたい」と抱負を語った。
天理高と御所実業高の試合動画を視聴できます