パニック障害・不安障害の基礎知識を学ぶ – ひのきしんスクール講座「障害への理解と支援」から
「ひのきしんスクール」(村田幸喜運営委員長)は11月27日、講座「障害への理解と支援――パニック障害・不安障害」をおやさとやかた南右第2棟で開催、29人が参加した。
これは、医学的な視点からパニック障害と不安障害について理解を深めるとともに、体験談などを通じて当事者への寄り添い方を学ぶもの。
当日はまず、天理よろづ相談所病院「憩の家」精神科医の岩本裕氏が「パニック障害・不安障害について」と題して講義した。
その中で岩本氏は、不安は誰しも抱えているとする一方で、コントロールできなくなると、さまざまな生活機能障害を来すと説明。不安がもたらす障害として、パニック障害、強迫性障害、社交不安障害、全般性不安障害の四つを挙げ、具体的な事例をもとに症状と治療法について解説した。
そのうえで、パニック障害や不安障害は治らないものではなく、柔軟な思考を身に付けることで回復することもあると指摘。普段から上手に自己表現するなどして、ストレスを吐き出すことが大切だと話した。
続いて、「憩の家」公認心理師で臨床心理士の宇田まゆみ氏(敷土分教会教人)が、「パニック障害・不安障害を抱える人に寄り添う――臨床心理学の視点から」をテーマに登壇した。
宇田氏は、当事者の中には、パニック障害の苦しみは他人に理解されにくく、恥ずかしいことだと感じている人もいるとして、本人が抱えるしんどさを許容し、気持ちの問題として片付けてしまわないことが大切だと述べた。
さらに、不安や恐怖があるのは自然なことだとして、当事者がコントロールすることに固執しすぎず、共にあろうとする姿勢が、結果的に症状を鎮めることにつながると強調。本人が不安を抱えながらも、ありのままを体験できるような寄り添いを、私たちは意識していきたい、と話した。
この後、中澤重和氏(甲浪分教会教人)と井上嘉朗氏(眞榮分教会前会長)が、それぞれ体験談を発表した。最後に岩本、宇田、井上の3氏による質疑応答が行われた。