おやのことば・おやのこころ(2022年12月21日号)
2022年12月21日
おやのことば・おやのこころ 二ッ ふしぎなふしんかゝれバ
「みかぐらうた」二下り目
やれにぎはしや
いとこが会長を務める教会が教職舎を建て替えることになり、先日、古い建物の解体作業の手伝いに行ってきました。
屋根に上がって瓦を取り外す人、運び下ろした瓦をトラックに積み込む人、休憩用のお茶や食事の準備にかかる人……。にぎやかなひのきしんの輪に加わりながら、ふと自教会の普請にまつわる話を思い返しました。
前会長の父は、もともと別の教会の礎を築いた布教師の四男として生まれ、20代のころに縁あって現在の教会へ養子に入りました。後日、実家の両親から聞いた話によると、まだ父が生まれる前の昭和初めごろ、福岡市内で布教中だった両親は、ちょうど神殿普請のさなかだった現在の教会へ連日、床板や柱材を磨くひのきしんに通っていたというのです。「布教の道中で食べる物もないなか、教会へひのきしんに行って昼ご飯を頂けることが、どれほどありがたかったか」。それから40年の時を経て父が養子入りしたのは、なんとも不思議な親神様のお引き合わせです。
設立間もない当時の教会も、きっと大勢のひのきしん者の活気であふれていたことでしょう。師走の寒空の下でのひのきしんでしたが、先人や先輩方の歩みに思いを馳せる良い機会となりました。
早くも年内最終号となりました。懸命に道を通りきった先人の思いを受け継ぎ、年明けから勢いをもって年祭活動へ踏み出したいと思います。
(榊)