RWC2023フランス大会へ「OUR TEAM」で挑む – 藤井雄一郎さん ラグビー日本代表ナショナルチームディレクター
ラグビー日本代表が史上初のベスト8進出を成し遂げた4年前の「ラグビーワールドカップ(RWC)2019日本大会」。その快進撃の指揮を執ったのが、当時、日本ラグビーフットボール協会男子15人制代表強化委員長を務めた藤井雄一郎さん(53歳・本部直属駿遠豆分教会ようぼく・東京都港区)だ。
天理高校ラグビー部出身の藤井さん。名城大学ラグビー部を経て、西日本社会人リーグのニコニコドーサニックスブルース(当時)で選手として活躍した。
引退後は指導者の道へ。「組織力で勝つ」をモットーに掲げ、2002年に母校・名城大を東海学生リーグ優勝へ導いた後、トップリーグの宗像サニックスブルース(当時)の監督に就任。低迷していたチームの順位を押し上げた。この実績が評価され、16年に日本ラグビーフットボール協会理事に就任。19年には、RWC自国開催に当たり、日本代表強化委員長に抜擢された。
着任後、家族のような結束力や責任感を一人ひとりが養い、チーム力で勝つ「ONE TEAM」をスローガンに掲げる。以来、異文化交流の機会を設けたり、コーチとの対話を密にしたりするなど、独自の指導方法を導入した。「日本代表をまとめるためには、一つの強い芯が必要だった。スローガンを全体で共有できたことが結果につながったと思う」と振り返る。
藤井さんは現在、日本代表ナショナルチームディレクターとして、今年9月に開幕する「RWC2023フランス大会」へ向けて準備を進めている。チームの新たなスローガンは「OUR TEAM」。その意図について、「日本代表の特色である国際性の豊かさを生かし、メンバー一人ひとりが強い責任感とリーダーシップを発揮することで魅力的なチームになれる」と語る。
日本代表は昨秋、ヨーロッパ遠征を実施。過去最多3回の優勝を誇るオールブラックスことニュージーランド代表を相手に31‐38と健闘した。
藤井さんは「今年はベスト8の先を目指したい。日本ラグビー界が一層盛り上がる一年になれば」と抱負を語る。