父から受け継いだ信仰を未来へ – 修養科の四季
2026・4/22号を見る
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第1006期 髙橋宏明さん
28歳・北開分教会所属・北海道函館市
北海道にある教会で、教会長の長男として生まれ育った。父は御用で不在のことが多く、幼少の私は寂しさが募り、不足を感じていた。それはやがて信仰への不信感に変わり、大学卒業後はお道から離れて自分本位の生活を送っていた。
3年前に自教会に戻った後、大教会青年として伏せ込んだが、「なぜ親として寄り添ってくれないのか」と父への不満は増すばかり。身の周りの出来事を素直に喜べず、不足に思うことが少なくなかった。
そんななか、一昨年4月、父が「大腸がん腹膜播種」のステージ4で、余命1年と宣告された。突然の大節に、母から「何か心定めをして通ってほしい」と諭された私は、お願いづとめを毎日勤めることにした。
父のたすかりを願って日々を通る中で、正面から父と話せるようになったが、宣告から9カ月後、父は安らかに出直した。
もっと早く父と向き合い、その真意を理解しようと努めていれば――。後悔の念に苛まれた私は、「まずは自分の心を見つめ直そう」と昨年4月、修養科を志願した。
布教への思い強めて
親里でおてふりや基本教理について学ぶ中で、「これまで教えを分かったつもりでいたが、実は何も理解できていなかったことに、あらためて気づいた」。まずは教えを理解し、正しく実践できるようにならなければと、日々懸命に授業に取り組んだ。
そのうえで、自ら進んでひのきしんに努め、身上・事情を抱えるクラスメートのたすかりを願って朝夕のおつとめを勤めた。すると次第に、心がお道に向き始めるような感覚を覚えた。
そんななか、2カ月目の途中、母から「教会から足が遠のいていた方が参拝してくれるようになり、勇んで御用に励んでくださっている」と報せがあった。
そのころ、授業で「そっちで力を入れたら、神も力を入れるのやで」(『稿本天理教教祖伝逸話篇』174「そっちで力をゆるめたら」)とのお言葉にふれたこともあり、私が勇んで通ることで、親神様・教祖がご守護の一端を私たち家族に見せてくださったのだと感じた。
さらに、この出来事を「修養生活はもとより、『これからも勇んで通りなさい』という教祖からのメッセージだ」と悟らせていただくと、信仰への迷いや不安はかき消え、自分でも驚くほど明るく、喜びに満ちた日々を送れるようになった。
また、担任の先生から身上・事情にまつわる話を聞くうちに、生前の父が闘病中に「元気になったら、にをいがけに歩きたい」と言っていたことを思い出した。
この言葉は、私へのメッセージだったのかもしれないと思案し、「父の思いを受け継ぎ、にをいがけに歩こう」と心を定めた。そして、「教えを一人でも多くの人に広めたい」という信念のもと、道一条に通っていた父のことを、少し理解できたように感じた。
◇
大教会青年などを経て、今年の3月末まで大教会所管の「布教実修所」に身を置き、布教に歩いてきた。
その中で人をたすける喜びを実感し、「父の願いに応えたい」という思いは一層強くなっている。悲しみはまだ癒えないが、生まれ替わりの教えを信じ、再び親子として共に道を歩む日がくることを願っている。
父から受け継いだ信仰を未来へつないでいくためにも、自ら教えを求める姿勢を忘れず、親神様・教祖にお使いいただけるようぼくに成人することを目指して、この道を歩いていく。











