天理時報2023年12月13日号3面
【余命宣告を受けた夫が暴言を吐く – 人生相談】Q. 肺がんを患う夫は、闘病生活が続く中も笑顔を絶やしませんでした。しかし先日、余命宣告を受けてからは頻繁に暴言を吐くように。毎日ひどい言葉を浴びせられ、精神的ストレスが溜まる一方です。これから夫とどう向き合えばいいでしょうか。(60代女性)A. ご主人は余命宣告を受けて大きなショックを受けたのでしょう。心の整理がつかず不安や怒りを感じ、いまはそばにいるあなたに当たることでしか、乱れた心のやり場がないのだと思います。ご心痛お察し申し上げます。「がんは家族の病」ともいわれています。がん患者と同様、あなたのように家族も相当な精神的ストレスを抱えることになります。その意味で、患者の家族は「第二の患者」とも呼ばれています。人は誰もが支え合って生きています。自分だけで何もかも抱え込もうとせず、あなたのつらい気持ちを周りの人に聞いてもらうことが必要です。専門的には、担当医や看護師、医療ソーシャルワーカー等に相談することも一つの方法です。地域には、そのための「がん相談支援センター」もあります。また「諭達第四号」に示される通り、近くの教会へ足を運び、お願いづとめでご主人の身上回復を祈ることが何よりも大切です。ようぼくならば、心を込めておさづけを取り次ぎ、教会の会長夫妻にも胸の内を聞いてもらいましょう。大変でしょうが、ご主人のつらい気持ちを受けとめて、祈りを捧げ、親身に寄り添ってください。あなたのたすけ心で、時間の経過とともに、ご主人も心の整理がつくと思います。大丈夫、親神様・教祖が後押しをしてくださいます。回答者:平澤勇一(磐城平大教会長・福島教区長), 【互い立て合いの先にある和平 – 視点】人質解放のための束の間の停戦を経て、パレスチナ・ガザ地区での戦闘が再び始まった。多数の犠牲者が出ていることに胸が痛む。イスラエルとパレスチナの争いは長年にわたる。しかし、今からちょうど30年前には両者が和平に向けて歩みつつあった。1993年のオスロ合意では、イスラエルとパレスチナの共存が目指され、双方の指導者がノーベル平和賞を受賞した。ところが、あるとき、イスラエルの政治家が「平和の使者だ」と言って、大勢の警察官に守られながらユダヤ教の聖地「嘆きの壁」からイスラム教の聖地「岩のドーム」をひと回りして帰ってきた。それが礼拝中のイスラム教徒の怒りを買い、暴力の応酬が再燃する引き金となった。どのような意図があったにせよ、異教徒に対する尊敬の念を欠く行為と映ってしまったのは、大変残念なことである。この事件から思い起こされるのが、元治元年(1864)の大和神社の一件である。つとめ場所の棟上げに勇んだ人たちが、山中忠七宅へ向かう道中、同社の前を通りがかったとき、「神前を通る時には、拝をするように」との教祖のお言葉を思い出し、太鼓などを打ち鳴らして「なむ天理王命」と繰り返し、声高らかに唱えた。それが、同社の祈祷を妨害したとして、厳しく咎められた(『稿本天理教教祖伝』第四章「つとめ場所」)。この節は、人々の誠真実を見定めるための「話の台」であるとともに、他宗教に対する敬意と慎みを教えられているようにも思う。教祖は、「何の社、何の仏にても、その名を唱え、後にて天理王命と唱え」(『稿本天理教教祖伝逸話篇』170「天が台」)とも先人に聞かせられたように、たとえ異なる道を通っていても、親神様から見れば等しくわが子であり、一れつきょうだいとして相手を尊重することを教えられている。世界各地の紛争を治めるのは容易ではないが、和平に向けて一人のようぼくにできることとして、互い立て合いたすけ合いの心を日ごろから培いたい。(三濱)