天理時報2021年4月11日号5面
日本一の布団職人がつくる人びとの笑顔新貝さんは、ハッとした。「睡眠時間は人生の3分の1を占めるの!布団へのこだわりがないために、疲れがないなどの悩みを抱える人は少なくない。が良い布団を作ることで、睡眠中に今日の疲れを取り、癒やされリフレッシュして、また明日も笑顔で過ごせる人が増えれば、〝私にできるおたすけ”につながるのではないか。私なりのやり方で、人さまに喜んでもらおう」以後、新貝さんは綿の種類や配合の研究、仕立ての技術に、さらに磨きをかけた。また、お客さんの自宅へできるだけ足を運んで睡眠時の悩みを聞き取り、腰痛に苦しむ人は敷き布団の腰の部分の綿を厚くしたり、高齢の人が寝苦ないように掛け布団の襟元を軽くしたりするなど、細部まで徹底的にこだわった。「だれにでも出来ることをだれにも出来ないくらいやる!」そう仕立て場の壁に綴るように、決して手を抜かず、お客さんの笑顔を求めて、自身の持つ10の力で布団を作り続けた。布団を購入した人からも「これまで掛け布団がずれ落ちて熟睡できなかったが、新貝さんの布団はずれることがなく、初めてぐっすり寝られた」など、喜びの声が寄せられるようになった。代々の徳を頂いたおかげタスキを次世代へつなぐこうしたなか、31歳のとき転機が訪れる。30職種の技能者のトップを決める「全国技能グランプリ」で全部門優勝を成し遂げたのだ。これをきっかけに仕事は軌道に乗り、多忙に。その一方で、「火水風のご守護」などの神様のお働きを強く意識するようになった。取り扱う木綿は、布団にして使えば、保温性や吸湿性に優れた特性が際立つ。快眠のために重要な布団内の温度や湿度が一定に保たれることで、心地よく眠ることができる。「教祖がおっしゃるように、木綿には素晴らしい要素がたくさんある。しかし人間は、そのありがたさに気づきにくいために、神様が用意してくださった天然素材を生かした物が、どんどん少なくなっている。神様がご守護くださる天然素材の素晴らしさに、一人でも多くの人に気づいてもらえれば」そんな思いを持ちながら、38年にわたり丁寧に仕事に取り組む中で、2017年に「現代の名工」に選出。1年には「黄綬褒章」を受章した。新貝さんは、信仰があったから、諦めずに布団作りを続けてこられたと振り返る。「神様やご先祖様がいつも見守ってくださったからこそ。代々の徳を頂いたおかげで、大きな花を咲かせてくださった。決して自分一人の努力の賜物ではない。日々、感謝とおかげさまの気持ちをもって、私が受け継いだタスキを次世代へつないでいきたい」綿製の「作務衣」に身を包む新貝さんは、仕立て場に正座して拝をする。そこから、布団に魂を吹き込む、仕立ての作業が始まる。木綿シートを交互に重ねると、四隅をちぎり形を整える。美しさに定評がある「角づくり」の工程だ。完成後は見えない部分だが、この作業が布団の寝心地を左右する。角がピンと張り、きれいに整えられた中綿を、遠州織の生地で包むと、至極の逸品が完成した。「布団作りを通じて〝私にできるおたすけ”につなげていくことが、神様からお与えいただいた使命だと確信している。自分の役割を生涯かけて全うしていきたい」こう話す新貝さんは、今日も布団を作り続ける。その先に待つ、一人ひとりの笑顔のために―――――(文=木村一正、写真・動画=山本暢宏)仕立て場の壁には、新貝さんが布団作りをするうえで大切にしている言葉がびっしりと書かれている新貝ふとん店の社員は3人。店主自ら店頭に立ち、笑顔で接客に当たる教会月次祭への参拝は欠かさないQRコードから、新貝さんの作業風景や店舗の様子などの動画が閲覧できます。webみちの動き2020本紙から限定公開ダウンロード可能このたび道友社では、その年の教内の動きをまとめたDVD「みちの動き」の販売を取りやめ、ウェブ上で「webみちの動き」と題した動画を、随時、限定公開します。「webみちの動き」は、本紙のQRコードからのみ視聴できます。また、動画をダウンロードして、教会行事などの際に活用することも可能です。主な内容●立教183年本部元旦祭●災救隊「令和2年7月豪雨」の被災地に出動●全教一斉ひのきしんデーなど視聴時間:約45分ダウンロードサイズ:約3GB※右記QRコードからのみ視聴できます。ページ内のダウンロードアイコンをクリックすると動画を保存できます。道友社