オンライン授業で“展示資料”活用 – 天理参考館
天理参考館(橋本道人館長)は、天理市の教育委員会や環境経済部、観光協会などと協力し、文化財や歴史文化を活用した地域づくり事業「発信!どこでもミュージアム」(主催=「ヤマト・天理の歴史文化をめぐる」実行委員会、事務局=天理参考館)を継続している。2022年12月13日には、事業の一環としてオンライン授業「参考館にきいてみよう!――天理参考館とオンラインでつなげて学びを深めよう!」の第1回(全4回)を天理市の福住中学校で実施した。
この事業は、文化庁の「令和4年度博物館機能強化推進事業」の一つとして採択されたもの。これまでも文化庁支援事業として、同館を拠点に連続講座や出前博物館など、さまざまな催しを実施してきた。
このたびの「オンライン授業」も、その一つ。コロナ禍における取り組みとして、参考館が誇る所蔵資料を活用したオンライン学習の機会を市内の学校へ提供しようと企画された。
第1回は、参考館3階展示室と福住中の教室をZoomアプリでつないで行った。
画面越しの生徒を前に、講師の日野宏・学芸員が縄文・弥生・古墳の三つの時代の“人々のくらし”について分かりやすく解説。生徒たちは学芸員の説明を受けつつ、縄文土器や銅鐸、鏡などの貴重な実物資料を映像越しに見ながら、日本の古代史や文化について理解を深めた。
また授業の途中には、生配信を生かした展示資料にまつわるクイズも。双方向性と臨場感を重視した授業を、終始楽しみながら学んだ。
授業後、生徒たちから「一つひとつの説明が分かりやすかった」などの感想が寄せられた。
日野学芸員は「実際に博物館へ行かないと体験できない学びを、よりリアルに届けられたと思う。今後、生徒たちが日本のさまざまな歴史文化に興味を持ってくれたらうれしい」と話した。