この冬を無事に越せるよう – 視点
2023年1月28日
視点 昨年2月24日、ロシアがウクライナへ軍事侵攻し、世界に激震が走った。この1年、多くの建物が破壊され、おびただしい命が失われている。長引く戦争により、食糧やエネルギー価格などが高騰。世界中の人々の日常生活にも深刻な影響を与えている。
穀物大国ロシア・ウクライナからの小麦やトウモロコシなどの供給量が減れば、世界中の穀物価格が高騰し、諸物価は跳ね上がる。日本では円安の影響も重なり、さらに電気やガス、灯油などの価格高騰が、冬場の暮らしを直撃している。
ウクライナ侵攻が各国のエネルギー事情に与える影響は、ロシアから原油・天然ガス・石炭をどのくらい輸入していたかによって異なる。欧州各国は概ねロシアへの資源依存度が高く、ドイツは天然ガスの4割以上をロシア産が占め、オランダは原油のほぼ全量をロシアに依存してきた。侵攻が長期化すればするほど、中東産油国の輸出制限などもあって、世界中に供給されるエネルギーの絶対量が減少していく。結果、すべてのエネルギー価格が吊り上がる要因となる。原油や天然ガス、石炭が高騰すると、電気、ガス、燃料、物流も含めた世界経済全体に甚大な影響を及ぼすことになる。
今回の戦争によって、平和の尊さにあらためて気づかされる一方で、私たちの日常は世界のエネルギー資源や食糧の安定供給によって成り立っており、世界は密接不離であることを思い知らされた。
教祖が、世界は葡萄のように皆つながっていると教えてくださった通り、遠い国の戦争も決して他人事ではなく、私たちの”身近な出来事”に等しい。そう思うとき、彼の地の人々が、厳しいこの冬を無事に越せるよう、心から祈りたい。
(早渕)