ようぼく子弟のプロボクサー アジア太平洋王者から世界へ
2023年2月18日
トピックス ようぼく夫妻の子弟、プロボクサーの村地翼選手(26歳・静岡県富士市「駿河男児」所属)は、2022年10月に行われたWBOアジアパシフィック・スーパーフライ級王座決定戦に勝利。翌月、チャンピオンベルトを携え、静岡県庁を表敬訪問。15年半ぶりとなる県内からの王者誕生に、川勝平太知事は「静岡の誇り」と称えた。
郷里にある兵庫県内のジムで中学からボクシングを始め、強豪・東洋大学で力をつけた。2018年のプロデビュー戦を1回KO勝ち。以来、着実に戦績を重ね、翌19年、WBOの同タイトルに挑んだが敗戦。今回の再戦で王座を獲得した。
試合2カ月前、新型コロナウイルスに感染。減量ピークの1週間前にも体調を崩したが、「このチャンスを逃すまい」と気持ちを切らさず節を乗り越えた。その原動力は、タイトルマッチ決定後に84歳で亡くなった祖父・國廣さんの存在。若いころボクシングに親しみ、陰ながら応援してくれた。病床の壁に貼った孫のポスターを、誇らしげにホームヘルパーに見せていたという。試合当日、祖父の遺影に必勝を誓い、決戦に臨んだ。
試合序盤からジャブで主導権を握った。時折、強烈なボディーブローで相手の体力を奪い、順調にポイントを重ね、終盤も危なげなく制して、3‐0の判定で頂点に立った。
プロ転向の際には、両親(隆貴さん〈57歳・梅乃分教会ようぼく〉、典子さん〈59歳・同〉)に心配をかけたと振り返る。「大好きなボクシングを続けさせてもらい、一つタイトルを取れたことで、ささやかだけれど親孝行できたかな」と。昨年11月、ベルトを持参し、家族そろって本部神殿でお礼参拝をした。
そして第二幕が開く。世界への窓口を広げるため、先ごろタイトルを返上。さらなる高みを目指す。