阪神リーグ5季連続V 全日本大会への出場決める – 天理大学野球部
天理大学野球部は3日、神戸市のほっともっとフィールド神戸で行われた「阪神大学野球春季リーグ戦」で関西国際大学と対戦。6‐3で勝利し、5季連続24回目のリーグ優勝を果たした。この結果を受け、6月5日から開幕する「全日本大学野球選手権大会」への出場を決めた。
経験豊富な4年生投手陣を中心に、「守り勝つ野球」でリーグ戦5季連続優勝を目指す同部。
開幕戦の第1節では、昨秋1部昇格を果たした甲南大学と対戦した。
天理大学の先発はエースの一人、真城翔大投手(4年)。初回を三者凡退に抑えると、その後も安定感のあるピッチングで凡打の山を築いていく。
天理大学が五、六回に得点を挙げてエースを援護すると、真城投手は九回を1失点で投げきり、4‐1。チームは白星スタートを切った。
第2節の大阪産業大学との初戦では、相手投手を打ちあぐね延長十回タイブレークへ突入。その裏に2アウト満塁から死球で失点し、1‐2で敗れた。
試合後、チームが「来た球を打つだけの淡白な打撃になっていた」ことを反省。「決め球を絞り、粘り強く戦おう」と選手同士の意識を統一すると、その後は第3節の大阪電気通信大学戦を含め4連勝し、リーグトップを独走する。
リーグ優勝が懸かった関西国際大学との第4節の初戦。天理大学は先制したものの、同点に追いつかれて延長に。十回表、満塁のピンチの場面で関西国際大学にタイムリーヒットを打たれて2‐5で敗れた。
藤原忠理監督(57歳)は「目の前に迫る優勝を意識しすぎてプレーが硬く、思いきりがなかった。選手たちには、失点を防ぎ、少ないチャンスをものにする天理らしさを出そうと、あらためて呼びかけた」と話す。
翌日の第2戦は、先発の真城投手が九回を3安打に抑え、2‐0で完封勝利した。
1勝1敗で迎えた第3戦は、勝ち点と勝率の関係で、勝利すれば第5節を残して優勝が決まる大一番となった。
天理大学の先発はプロ注目の1年生・的場吏玖投手。持ち味のストレートと多彩な変化球を駆使し、初回を0点に抑える。
一進一退の攻防が続くなか、1点ビハインドで迎えた四回裏に1アウト一、二塁の好機到来。今シーズン、守備の要であるキャッチャーとして奮闘しつつ、要所で力強い打撃を見せてきた小林太郎選手(4年)がバッターボックスへ。レフト奥にタイムリーヒットを放ち、3‐2と逆転に成功した。
六回にも追加点を挙げると、天理大学が6‐3で勝利。最終節を残し、5季連続24回目の優勝を決めた。
中川彰主将(同)は「今回のリーグ戦は苦しい戦いもあったが、5季連続優勝という目標を達成できて良かった。全国大会では、ここ2年、勝ち上がれていないので、今回は勝てるようしっかり準備して全国に挑みたい」と話した。
藤原監督は「この優勝は、選手たちの『絶対に勝つ』という強い思いとともに、野球ができる環境への感謝の気持ちをもってプレーしたからこそ達成できたと思う。全国大会でも一層の感謝の気持ちを胸に、恩返しを果たすつもりで、チームとして勝利を勝ち取りたい」と話している。
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「全日本大学野球選手権大会」は6月5日から明治神宮球場などを会場に行われる。天理大学の初戦は5日の第2試合、東京ドームで九州六大学野球連盟代表と対戦する。