“おたすけ110番”への即応を – 視点
できればかけたくないが、いざとなれば頼るのが「110番」の緊急通報だ。警察には年間800万件超の緊急通報が寄せられており、国民の15人に1人が連絡した計算になる。少し歴史をひもとくと、1948年に全国の主要都市に緊急通報用の専用番号が設置された。当時は番号がバラバラで、東京は「110」、大阪や京都は「1110」、名古屋は「118」などだったが、60年までに「110」に統一されたという。
現在、110番通報すると、各地の警察本部の通信指令室につながる。指令室では、通報内容や発信者のスマートフォン(スマホ)のGPS情報をもとに事件現場を特定。無線で指示を受けた警察官が急行する。到着にかかる時間は「リスポンス・タイム」と呼ばれ、2020年の全国平均は7分57秒だった。
また110番は、いまや通話だけに限らない。聴覚・言語障害者ら向けに、アプリを使った通報が19年から可能になった。さらに、通報者が撮影した映像をスマホで送るシステムも導入され、車のナンバー画像から傷害事件の解決につながった事例もあるそうだ。
ところで数年前、教会本部の海外部に奈良県緊急司令センターから協力要請があった。外国語での通報に対応する訓練をしたいとの申し出を受け、海外部は4言語の海外出身勤務者を派遣した。通報者が外国人の場合も少なくないため、需要が高まったのだろう。
110番通報と同様に、“おたすけ110番通報”を受ける教会長やようぼくの出番も多様化している。さまざまな問題に対応する資質を身につけることが求められ、専門分野に特化した教友同士のネットワークなども重要になるだろう。
お道の者は“おたすけ110番”に即時対応する司令室のオペレーターであると同時に、その現場に駆けつける隊員でもある。「にち/\に神のせきこみこのなやみ はやくたすけるもよふしてくれ」(おふでさき四号68)とあるように、親神様は私たちの躊躇ない実動を求めておられる。このことを強く思って日々を過ごしていれば、たすけの手を差し伸べる機会は必ず訪れるはずだ。
(永尾)