おやのことば・おやのこころ(2022年2月23日号)
人間の胸の内さい受け取りたなら、いつまでなりと、踏ん張り切る。
『稿本天理教教祖伝逸話篇』164「可愛い一杯」
花の便りに心弾ませる季節になりました。梅の蕾が一輪ほころんだと聞くだけで、つい足を延ばしてみたくなるのは、あの馥郁とした芳しい香りに誘われるからでしょうか。
春を知らせる便りがいつ届くかと、いま最も胸を膨らませているのは受験生かもしれません。合格の吉報を心待ちにしていることでしょう。
その便りを早々に受け取った少女が先日、父親と共に教会へお礼参りに来てくれました。志望校に合格した喜びや大学で学びたいこと等々……。あふれる思いを生き生きとした表情で語ってくれました。印象的だったのは、将来の話に花を咲かせ、顔をほころばせる娘を、優しいまなざしで見つめる父親の姿でした。
目標に向かって努力してきたのは本人ですが、親は親の立場で陰日向から支えてきたのでしょう。少女の口から親への感謝の言葉がいくつも出てきます。そんな親子の姿を眺めていて、ふと思い浮かんだのが掲出のお言葉です。
ややもすると、私たちは自分の力だけで歩んでいるような気になりますが、一人ひとりの誠真実の心を受け取り、踏ん張って支えてくださる存命の教祖のおかげで、今日という一日を過ごせているのです。その感謝の気持ちを、常に持っていたいものです。
先の少女は、この春に親元を離れ、一人暮らしを始めます。新天地では、どんな素敵な花の便りを受け取るのでしょうか。
(大西)